若年男性に多い脳出血とは?



看護師ノート推奨の転職サイト



24歳で、脳出血!?

脳血管疾患は、20代には起こらない・・・なんてことはない!

脳梗塞・脳出血・くも膜下出血というと、好発年齢は60代以降ですね。
では、若い人には起こらないかというと、そうでもありません。

最近では健康に関しても“格差”の大きい時代です。
90代でもシャキシャキと歩いている高齢者もいれば、30代で糖尿病性腎症から透析、脳梗塞の発症・・・と、生活習慣病を基盤とする健康格差が大きくなっています。
その差は1世代どころではありません。

私の脳外科勤務時代に脳血管疾患で入院してきたのは、60代以降が圧倒的に多かったですね。
ところが中に、24歳という若い男性がいました。
彼は、若くて脳出血や脳梗塞を起こしそうな、自己管理のできていない人・・・ではありません。

特別な病気によって、脳出血を起こしたのです。
私が彼を担当したのはもう15年以上昔です。
しかし、時間の経った今でも、はっきりとその男性のことを覚えています。

若年男性でも突然死する!脳動静脈奇形の恐ろしさ

24歳で脳出血・・・交通事故ではありません。
生活習慣病に起因するものでもありません。

脳動静脈奇形(cerebral arteriovenosis malformation:AVM)による脳出血です。
これは、脳の動脈と静脈が毛細血管を介さずに、ぐにゅぐにゅとした異常な血管の塊(nidus:ナイダス)で直接つながり、A-Vシャントを作り出してしまう病気です。
普通の毛細血管と違い、かなりの血液量の多い血管同士がシャントを作り出しており、一度破綻すると脳内で大量に出血します。

名前の通り奇形ですので、本人の生活習慣によるものではなく、先天性の脳血管異常です。
なぜかはわかりませんが、20~40歳代の男性に多いとされています。

20代という若さで脳の血管撮影をすることなんてありませんよね?
ですから、知らずにAVMを持っている患者さんはたくさんいるのです。

AVMがあることに気づくのは、頭痛や痙攣発作、片麻痺の出現といった出血イベントが起こった時。
亡くなって初めて、AVMによる脳出血が起こった・・・とわかることも多いのです。

私が病棟で遭遇した24歳の男性。
若いけれど既に結婚していて、2歳になる娘さんがいました。
病院に毎日お見舞いに訪れていました。
しかし、患者さんであるお父さんは利き手である右上下肢の麻痺が残り、発語も理解はできますがやや構音障害が残りました。

リハビリをして、どのくらい機能が回復するかはわかりません。
しかし、今までの職場に復帰できるかどうかはわかりません。
そして、この子供をどうやって育てていくのかも・・・。

余分なことを多く語らない患者さんでしたから、何をどう考えていたのかはわかりません。
しばらくして、リハビリ専門の病院へ移っていきました。

あれから15年。
私と2歳しか違わないので、まだ38歳。
娘さんは、高校生です。
社会復帰を果たしたのかどうかも、わかりません。

脳出血というと、高血圧を放置したせいとか、そう思ってしまいがち。
しかし、AVMとうい病気もあるんです。

運が悪い、としかいいようがないのかもしれません。
発症と同時に死亡ということもある。
もしかしたら、私も持っているのかもしれません・・・。