140㎏の体重が、脳梗塞を起こした



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24歳で脳梗塞 体重なんと、140㎏!!

気づけばそこに、140㎏の巨漢が・・・

脳外科病棟勤務時代のことです。
私が準夜で「お疲れ様でーす」と言って出勤し、ナースステーションに入ったとき。
皆が一斉に私を見て、はぁーっとため息をつきました。

そのときはすでに2年目に入っていたので、できないながらにもまあなんとか、仕事を周ることはできていたのです。
それなのに、なぜ!?

そう思いながら情報収集のためにセンターテーブルに行こうとしたら・・・。
HCUに何かすごい「物体」が動いているではないですか!!
よくみると・・・若い男性でした |д゚)

日勤のみんながため息をついたのは、
“あいつに任せられるか・・・”
ということだけではなく、
“お気の毒さま”
という意味も含めてのことだったのです。

24歳のKさんは、軽乗用車運転中に意識が薄れてきたということで路肩に車を止め、そのまま意識を消失してしまったそうです。
そして、気づいた人が救急車を要請してくれたので、本人は目覚めたら病院のベッドの上という状況でした。

それにしてもですね、170㎝で140㎏ですよ。
運動して筋肉がたっぷりあるのではありません。
お相撲さんよりも、実際の体重よりも、ベッドで寝ている姿は大きく感じました。
(多分横にお肉が広がるからではないかと)

Kさんは病衣も着れるものがなく、一番大きな2Lを前から袖を通しただけという恰好。
膀胱留置カテーテルを挿入してあるのでその点は楽でしたが、はめられるオムツがないので、板オムツをあてただけ。
(翌日には自宅から持ち込んだ衣類で対応しました。)

私、今日の夜勤大丈夫か!?

体位交換できません

Kさんは脳外科病棟初の巨漢でした。
血圧を測るにも、ふつうのマンシェットでは足りません。
脳梗塞の急性期で入院していて血圧が測れないのでは、話になりません。
日勤さんが病院中を探して、マンシェットだけはなんとか用意してもらうことができました。

しかし、ベッドはそうはいきません。
140㎏で、日本のベッドのサイズが合うはずがありません。
しかし、病院のベッドは小児科以外、皆同じ規格です。
Kさんは一度仰臥位をとると、横を向けません。

仰臥位で寝ていてちょうどぴったりの横幅です。
本人がお尻をずらしてくれなくては、左にも右にもスペースがないのです。
ところが本人は右麻痺。
おそらく、もとから横を向くだけでも一苦労だったでしょうけれど、右の手に力が入らないので、自分で動いてもらうこともままなりません。

私を心配してくれた日勤の先輩達が、その日は体位交換を準夜は21時の消灯時だけでいいよと言ってくれました。
るい痩のひどい患者さんとは違って、いきなり褥瘡が発生することがないでしょうし、もぞもぞと左上下肢は動くことができていたからです。
21時には、その日の準夜3人に、できるだけ本人に健側である左手を使って協力をお願いし、なんとか軽く右に傾斜をとることができました。

幸いにも彼はその後数日でHCUから大部屋へ移動し、右の不全麻痺は残りましたが、なんとかADLが自立するところまで回復しました。
実は、彼に対しどんな治療をしていたのか、全く覚えていません。
どんな点滴をしたのか、リハビリはどうしていたのか・・・。
それくらい、私には初日のあの準夜が衝撃だったのです。

しかし、Kさんが脳梗塞を起こした原因が、あの肥満体形にあることは間違いありません。
日本人は欧米人に比べて膵臓がタフではないので、極度な肥満になる前に糖尿病を発症してしまう率が高いそうです。
ですから、あそこまで太ることは(というより、太れる人は)まれかもしれません。

24歳という若さで脳梗塞を発症させてしまうのですから、生活習慣病というのは本当に恐ろしいものですね。