頭に金属のボルトが・・・



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なにコレ!! 頭にピンが刺さってますケド・・・ ( ゚Д゚)

頸椎損傷には、ハローリング

頸椎損傷は、整形外科・脳外科のどちらでも扱う疾患です。
というのも、頸椎のどの部分が損傷したかによっては、呼吸管理も必要になるからです。
私が以前勤務していた総合病院では、頸椎損傷は脳外科が担当していました。

頸椎は非常にもろい割に、とても大事な頭を支える重要な場所です。
そして、頸椎はどこを損傷するかによって、社会復帰を遂げることもあれば、首から下の感覚が無くなって寝たきりになることもあります。
最悪の場合、受傷時にそのまま亡くなる・・・ということも。

頸椎損傷で多いのが、転落と事故です。 
特に男性で、大工さんや庭師といった職業の人達が、高所もしくは脚立から転落して受傷するケースが多いですね。

病棟勤務年数の少ない私ですが、その中でもバツグンの印象で今でも覚えているのが、頸椎損傷患者の治療で行うハローリングです。
どんなものかイメージがわかない、初めて聞いたよという方は、こちらの画像を参照してくださいね。 
また、ハローリングの説明書も、参考にしてください。

これ、頭に直接金属(チタン)ピンを刺して、胴体部分はベストを着用して固定し、頭がぐらぐらしないようにするものなんです。
この頭のピンの部分をハローリング、胴体の部分をハローベストと言います。
長期間頸部を固定することができるのがメリットです。

私の勤務していた脳外科病棟に、ある日19歳の男の子がICUから転棟してきました。
彼がつけていたのが、このハローリングとハローベスト。
最初見た時には目が点になりましたよ・・・何これ!?って。
だって、頭に直接金属ピンが刺さっているんですよ。
ピンと言っても、頭の重さを支えるのですから、ボルトといった方がイメージがつくでしょうか。

それが、本当に頭皮にダイレクトに埋まっているわけです。
びっくりしますよね、そりゃ。
それでいて本人はとても元気なので、ロボットですか!?というようなその外観のまま、売店に行ったりデイルームに行ったりしているのです。

まあ、あれだけのものが付いていると、寝返りをうつこともままならないので、起きている方が楽なんですよね。

ハローリング最大の問題は?

そんなすごい見た目のハローリング。
頭皮に直接金属ピンですから、見ている方が痛々しいのですが・・・本人にとって切実な問題は、痛みではないんですね。

それは・・・痒みなんです!
ハローリングを付けている間は、シャワーが浴びられません。
もちろん、腰から下はいいのですけれど、胴体部分も首とくっついているので、ベストの部分をよっこいしょと脱ぐことができないんです。

まだ19歳という若さですから、新陳代謝も活発。
また、季節は夏。
病院の冷房は、そんなに涼しくないんですよ・・・節電という意味もあるし、寝ている高齢者からすると、若者と同じ温度では寒いので。

病棟に来てからしばらくはよかったのですが、日数が経つと、シャワーを浴びることも清拭をすることもできないため、背中がモーレツに痒くなりました。
でも、頸椎と固定されているのでどうもできない・・・。

痒みって、ある意味痛みよりも辛いものなんですね。
そして掻きむしることができないというのが、本当に辛い。
そこでどうしたかというと、私達はアルコール清拭を行いました。

さばいたガーゼにアルコールを浸して、それをハローベストの隙間から入れて、上下左右・斜めに擦るわけです。
手は入りませんが、ガーゼ1枚位の隙間ならありますから、ガーゼで掻いてあげるのです。
そして、アルコールのおかげでスーッとするので、その時は一次的ですが、痒みが治まるのです。

ただ、これはほんの一時のことなので、彼はしょっちゅう痒みを訴えて、アルコール清拭を求めてナースステーションにやって来ました。
私達も痒みを訴える彼が気の毒でしたから、時間の許す限り希望に応えました。
本当にガーゼで上下にごしごしすると、「キモチイ~」と最高の笑顔でした。

しかし・・・アルコールとガーゼの摩擦によって、ハローベストの中で皮膚が剥けてしまったのです。
こうなるともう、痒いしアルコールがしみるし、薬もつけられないしで、痒みだけより更に辛い。

結局、予定より数日早かったのですが、状態もよいだろうということでハローリングを抜くことができました。
早速彼はシャワーを浴びて、皮膚科受診。

交通事故を起こした際や受傷機転のわからない意識のない患者さんには、医師の指示があるまでは頸椎損傷があるものと思って関わらなければなりません。
よく追突事故等で頸椎カラーをして救急や外来に運ばれてくることがあります。

しかし、カラーをしたまま寝ているのは痛いので、患者さんは外したがります。
でも私は、ハローリングを実際に目にしたことで、首の大切さを知りました。
ここまでして保護するべきものなのかと。

だから、カラーを外すのはいつもびくびくしながら外します。
頸って本当に大切で、取り返しがつかないものなんですよね。



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