HOT導入目的は一つじゃない



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HOT導入と言えば、COPDでいい?

HOT導入目的の入院、疾患は・・・CHF?

80代後半の男性が、HOT導入目的で内科入院しました。
HOT導入ということは、ベースにCOPDがあるのよね?
誰もがそう思っていたのですが。

医師の記録を追ってよーく既往歴をみても、COPDの病名はありません。
肺気腫とも喘息とも書いてありません。
うーん、何で?

高齢の男性なので、HOTの取り扱いに慣れるまで入院というのはわかります。
(若い人や、家の人のサポートがある場合は、在宅のままで導入することもあります。)

でも、今回の導入目的は何のため?
答えは・・・CHF(うっ血性心不全)でした。

心不全により酸素化がはかれなくなってしまったので、本人の呼吸困難感を軽減させるのがまず第一の目的です。
確かに、心不全で入院する高齢者には、ファウラー位で酸素投与だってしますよね?

でも、心不全の治療が終わると退院し、自宅で酸素を使うことはほとんどありません。
ところがこの男性は、心不全が長期化していました。
呼吸困難があれば、酸素を全身にまわそうとしますし、1回の拍出量が減る分、代償的に心拍数が増加します。
心拍数増加はまた呼吸困難を悪化させますし、心筋の仕事量も増やしてしまいます。

利尿剤投与も、もちろん同時進行で行います。
けれども、利尿をかける間に自宅管理とするのは大変ですね。
夜は抜かしたとして、朝と昼に利尿剤を投与(内服)すれば、排尿回数が増えます。
動けばまた苦しいし、水を引き過ぎても血管内脱水を起こします。

そういう意味もあり、HOTの使い方を覚えつつ、利尿剤によって増加してしまった体重を是正しようということになったそうです。
入院なら、利尿剤も内服ではなくて静注でいけますし。

私達の世代は、新しい機器も適当に触っていれば使えますよね。
スマホの説明書をじっくり見ながら使い始める人って、そういませんもの。
子供なんて、無理でしょと思えるような難しいゲームも、すぐにできるようになります。

でも、高齢者はそうはいかないんですね。
それに、1日中鼻にカヌラを付けて、動く時にはメモリを上げて、戻って来たらまた下げて・・・なかなか簡単なようで、難しい。

この患者さんは認知症もなく、理解度もよかったので、携帯用ボンベのつなぎ方も割とすぐに覚えてくれました。
そして心不全そのものの治療も落ち着いて、1週間で退院していきました。

呼吸器病棟でHOTを導入する患者さんは、年に何人もいます。
しかし、HOT=COPD患者ではないんですね。
でも、病態生理と解剖を考えれば、肺と心臓はセットのようなものですから、心臓が悪いなら呼吸のアシストがいるのは当然。

〇〇と言えばコレコレ、というセオリーにこだわっていてはいけませんね。
何より、HOT=COPDしか思い浮かばないなんて頭が堅いというか短絡的というか、我ながらがっくり来てしまいました・・・。
でも、働き続けているからこその経験。
いい勉強になりました。