看護師にも、適性がある?



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失敗ばかり・・・私って、看護師向いていないの?

テンパってばかり・・・ダメダメな私の1年目に光が見えた

看護師に向いている人って、どんな人でしょうか?
白衣の天使?
いつもにこにこ優しい人?
それとも、どんな状況でもテキパキしている人?

私には、今も昔も「この人のようになりたい」という憧れの先輩がいます。
実際に一緒に働いた期間は2年もありませんでしたが、その先輩が私のダブルに付いてくれたときに、「こうすればいいのか!!」という目からウロコの状態でした。

ただ焦ってばかりで、今の言葉で言うと“テンパって”いるだけ。
ばたばたした上に時間通りに業務がこなせない。
要領が悪くて時間でこなせないから、患者さんの話を聞けない。
私がワゴンと一緒に持ち歩いていた板には、見ることとやることだけを羅列してありました。

そうじゃあないのよね。
そんなことにも気づけなかった。
板に書いてあることを一つずつ片付けることだけを考えていたから、イレギュラーなことや患者さんから声をかえられると応用がきかない。

夜勤のダブルが年を超えるまでとれず、「脳外科病棟きってのできそこない」だった私。
看護師向いてないんだな・・・と、つくづく思いました。
でも一人で生活していかないといけないし、辞められない。

そんな思いで続けていた私の目を覚ましてくれたのは、当時主任の先輩でした。
頭がよくて、どんな病気のどんな人が来ても平気。
そして、いつもおだやか。

焦っていることなんてないのですが、やるべきことはやってある。
患者さんの話もしっかり聞いている。
徹底的に頭を使った動線。

バタバタしてばかりの私に、「焦らなくていいのよ~」と言い、
「終わった経管ボトルはワゴンに引っ掛けておけばいいの。さあ、こっちを周りましょ。」
と、いくつものことを同時に進行する術を、このときに教わりました。

いつもいつも「早く」「まだやってないの!?」ばかり言われていたので、「焦らなくていい」と言われ、すごく気がらくになり、空回りしなくなりました。
離れた今でも(本当にデキる人って、ああいう人なんだな)と思うようになりました。
そして、ようやく「こうやればできるんだ」という、光が見えてきました。

そんな具合で、本当にできそこないの私。
こんなにできないのは、同期の中でも私だけだろう・・・そう思ったりもしました。
ところが、私を超える人がいたのです。

ミスの連続・・・就職してから判明した注意欠陥障害

そんなできそこないと言われ続けていた1年目のある日、私が日勤を終えて帰るときでした。
既に時間は20時を過ぎ、守衛室の前からでないと出入りができない時間になっていました。
そこで私は、久しぶりに同期のFさんと会いました。

1年目も終わりに近づくと、新人研修なんてありません。
そうすると、同期であってもなかなか顔を合わせる機会がないんですね。
私は何気なく「最近、どお~?」と声をかけました。

すると、彼女の返事は「私、今月で辞めるんだ。」
突然のことにびっくりしました。
今月といっても、もうあと数日を残すばかりだったのです。
看護師の離職を止めようと躍起になっている看護部が、なぜFさんの退職を認めたのでしょうか?

Fさんは、就職した当初は別に大きな問題は抱えていなかったようです。
新人研修でたまに会うときも、落ち込んでいる感じはなかったし。
ところが、1人立ちしてみたらとても危険なことばかりしていたというのです。

自分ではそれがわからないし、予防できないのだと。
すごく大事なことをしていたのに、他のことが気になって放置してしまったり、事故報告を頻繁に書くようになったそうです。
確かに、そのときに挙げられた例のうち2つは私も院内のインシデント・アクシデントレポートや看護部の伝達事項で、耳にしていました。
(え、これ、Fさんだったんだ・・・)と驚き。

そして大小のミスを重ねた極め付けに、命に関わる大きなミスを起こしてしまったというのです・・・。
患者さんの命は助かりましたが、訴訟問題になってもいいようなことだったのです。

彼女のあまりのミスの多さに、さすがにこれは、向き・不向きの問題ではないと言われるようになりました。
そして医師の診察を受けた結果、「注意欠陥障害」と言われたのだと。
多動はないので、子供で問題になるADHDではないそうですが、医療に携わる人間として、要領が悪いでは済まされない問題です。

看護学校時代の研修でも、就職試験でも、そんなことが問題になったことはありませんでした。
もし看護学校時代に判明していたら、その時点で違う道を探せたのに・・・。
「今更看護師の適性がないと言われたって困るよね」と、力なく笑っていました。
退職を言いだしても、誰にも引き止められることはなかったそうです。

数日後、看護部の通達で退職者の中に彼女の名前を見ました。
直接会ったのは、あの日の夜が最後となりました。

私は看護師に向いているとは思っていません。
憧れの先輩とは、あの時の先輩と同じ年になったのに、今の私は全然違います。
でも、こんな私でも、看護師生活が15年を超えました。

その間、失敗だってたくさんしたし、患者さんを怒らせたことだってありました。
それでもなんとかやっている。
これだけで、少なくとも看護師に向いていない、適性を欠くということはないんだろうなあと、思っています。

頑張ればなんとかなる!
それだけでは、看護師はやっていけないんだなぁ・・・そう感じたエピソードでした。