介護・医療の現場に潜む問題



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専門職でない人材を、どう教育するか?

介護士による殺人事件

神奈川県川崎市の介護付き有料老人ホームで、入所者の87歳の男性を4階から投げ落として殺害したとして元職員(23)が逮捕されるという事件が起こりました。元職員は、他に2人の殺害にも関与したとみられています。

川崎老人ホーム転落死事件

87歳転落死、元職員を殺人容疑で逮捕
毎日新聞

入所者3人相次ぎ転落死 川崎の老人ホーム「事態重く受け止める」
産経ニュース

介護施設で起きた殺人
佐賀新聞

最後の佐賀新聞に掲載されている部分で、私も共感したことがこの部分。
『介護現場はスキルの高い人だけでは支えられない現実があるとされるものの、働きながら技量を高められる育成体制が組まれておれば、結果は違っていたかもしれない。』

そうなのです。
介護の現場で難しいのは、資格とスキルのないスタッフが多いこと。
資格が全てではありませんが、資格取得のための勉強をするということは、それだけの努力と時間をかけてきたのだから、生半可な気持ちで働きません。
しかし、この不景気でなかなか就職口がないし・・・と、消去法で介護という現場を選んだ場合は、モラルも自覚も責任感もありません。

本来、医療の現場である病院や老人保健施設に勤めるよりも、こういった老人ホームに勤める方が、介護士の責任は高いのです。
医師も看護師も常駐していなければ、医学知識のない介護士が入居者の急変にも対応しなければならないのですから。
本当は、ものすごい緊張感のなかでの仕事なのです。

それが夜勤となれば、スタッフの数も更に減ります。
急変ほど夜勤帯(明け方)に起こります。
真面目な人なら、その重圧に耐えかねてしまいます。
夜勤が終わると、ものすごい解放感でしょう。

ところがこの事件、そんな緊張感や責任感を抱くどころか、以前にも入居者のお金を盗んで解雇されていたといいます。
おまけに、このSアミーユ川崎幸町で起こった事件は、今回の容疑者だけではないというのですから、驚きです。

同施設では、入所者への暴力や暴言などの虐待行為も発覚し、昨年12月、県警が別の元職員3人を暴行容疑などで書類送検しています。
また、川崎市は施設からの介護報酬の請求を今年2月から3カ月間停止させる行政処分を出しています。

ということは、他にも第二の容疑者・第三の容疑者がいるわけです。
もっと言ってしまうと、この施設に、“まとも”な介護士がいたのでしょうか?
このような施設において、既に述べた「働きながら技量を高められる育成体制」なんてできるはずがありません。

仮に一生懸命頑張っている介護士がいたとしても、モチベーションは維持されるでしょうか?
もしいたとしたら、逆にものすごい使命感と責任感なのでしょう。
私はニュースでしかこの施設を知らないので、実際どうなのかはわかりませんが。

高卒ギャルの教育をどうするか?

私の勤める病院にも、病棟勤務している若手介護士がたくさんいます。
高卒で茶髪・ど派手メイクのままで仕事をしています。
中には中卒の子もいます。

丁寧な口のききかたもできないスタッフもたくさんいます。
性格が悪いとかの問題ではなく、まず言葉を知らないのです。

そして、介護の現場に進んで入ったわけではなく、消去法で入ったこともあり、モラルもなければ責任感もない。
こういうスタッフへは、上の人間が目を見張らせなければなりません。

やる気のある子は、働きながらどんどん吸収して、准看護師の資格を取りにいくことも多いです。
しかし、渋々働く「シブシブ組」の若いギャルには、「頑張る」ということがなくて困ります。
本人の意思が動かなければ、いくら強制的に研修に参加させようが育たないのです。

専門知識のない介護士には、どのような教育をしたらよいのでしょうか?
いえいえ、これは看護師にだって言えることです。
資格を取得しているとは言っても、言葉遣いもモラルも責任感も欠ける看護師はたくさんいます。

やる気ある人材だけでは、現場はまわりません。
どうしても、「シブシブ組」を使わなければ、マンパワーが足りません。
頑張っている人達も疲弊して、辞めていってしまいます。

となると、やはり管理の方向に進む人と、ただ給料をもらう人に分かれるのかなあと思います。
そして、その管理に進む人がシブシブ組を適した場所へ配置し、日々改善策を練ることになるのでしょうか。

今回の事件、本当に介護士だけに起こる事件とは考えられません。
目に見えない形での虐待は、看護師でも、どこかの病院でされているかもしれません・・・。