指導も一線超えたら、パワハラです



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どこからがパワハラ? 

今までの指導方法は訴えられるかも!? - 看護師もパワハラ訴訟 -

昨年医療機関におけるパワハラ訴訟で、30代の女性看護師が上司の看護師長からパワハラを受けて適応障害となり、退職に追い込まれたという事案がありました。
この事実だけを観て、あなたは何を考えるでしょうか?
私は適応障害になってしまった側ではなく、ついつい看護師長側のことが気になってしまいました。

というのも、私自身どこまでが指導で、どこからがパワハラかと思うことが、最近あるからです。
2016年の年明けから、インフルエンザによる職員・子供の罹患が続き、職場での休みが相次ぎました。
私自身もインフルエンザに罹った上にその後も体調が戻らず、休みを延ばしてもらったり、半日で帰らせてもらう日もありました。

しかし、これは私自身の問題。
実際に体調が悪ければ、働けません。
無理に働いたところで院内感染の原因にもなります。
体調のリカバリーができないときも、判断能力の欠ける状態で働いて、判断ミスを起こしたり事故を起こしては困ります。

そう言った意味で、本人の調子が悪いというのは、休みを認めるしかないと思います。
私自身がよく体調を崩して半日休みをもらうことがよくあるからなのかもしれませんが。
(その代り、よほどでなければ丸1日体調不良で休みにはしませんよ)

判断に困るのが、子供の事情による休み。
子供が複数いれば、順番にインフルエンザにも罹ります。
学校行事だって、その分増えます。

子供に関することを全て自分が背負うつもりでいるパート職員は、すでに給料や福利厚生面・社会保障面で差がついていますから、私達正規職員は、気分的には面白くなくても認めざるをえません。

難しいのは、正規職員なのに子供を理由とした休みが多かったり、残業をしない人。
確かに、子供を保育園に迎えに行って、それから夕飯を作って食べさせて、お風呂に入れて・・・なんてしたら、定時に帰ってもギリギリでしょう。

しかし、正規職員ということは、その部署の責任を持つことになります。
同じ正規職員でも、子供がいるから残業はできません、熱が出たら全て自分が休みますという人もいれば、実家に預けられるので仕事に全く影響の出ない人もいます。

育児環境が恵まれている人はいいわよね、となるのでしょうか?
同じ正規職員という扱いで?
給料もボーナスも、同じ条件なのに?

ここに、不公平感が出るのです。
子育ての終わった50代の方達なら受け入れられるのかもしれませんが、実家に助けてもらっているとはいえ、私だって小学生の子供を持つ母親です。
残業して帰宅が遅くなれば、子供をお風呂に入れて寝かすのも遅くなります。
私は子供が2歳の時に転職しましたが、ずっと残業していました。

正規職員でも、どこかに「差」がなければ「なぜ私ばっかり・・・」となってしまうのです。
これは、私の器が小さいこともありますけれどね、看護の現場ではどこも問題になっていることでしょう。

では、私が親の助けを得られなかったら?
正規職員であることを辞めるのか?
・・・すごく悩ましいですね。

ただ、一つ言えることは、最初から子供がらみでたくさん休むことがわかっていても正規職員になった人と、図らずもそうなってしまった人とでは、意識が違うと思います。
少子高齢社会において、女性活用が盛んに叫ばれています。
働こうという意思を摘んで、職場復帰をしにくくさせているのではないか、と言われてしまいかねません。

でもね、看護という仕事は書類相手ではありません。
最後まで必ず責任もって働く人が必要なんですよ。
そこをどうするかが、どの医療機関でも問題になっていることと思います。
同じ条件なのに、片方には定時で上がることを認め、片方には残業あり委員会あり、勉強会出席まで言われたら・・・?

私の職場には、ろくすっぽ看護師として働かないまま結婚して10年のブランクがあるという人や、社会人になって子供がいる中で看護師になった人もいます。
彼女達は、ストレートで看護師になる場合よりも明らかに出遅れです。

しかし、それを取り戻す覚悟があるか?
今自分は看護師としては1年目だから死ぬ気で頑張ろう、という意気込みはあるか?
そう問いたくなってしまう人も、実際いるのです。

本当に女性の労働力を活かせる社会は、到来するのか?

冒頭であげた裁判の症例では、看護師長の以下の発言がパワハラととられたそうです。

こどもがインフルエンザにかかったり、高熱をだしたときの発言として、
「もう休めないでしょ。」
「いつでも首にできる。」

判決では「看護師長の言動は、弱い立場にある部下を過度に威圧するものだった」と認定し、病院に対しても使用者責任を認めたということです。
病院を運営する国家公務員共済組合連合会と看護師長に、計約120万円の賠償命令が下されました。

しかし、私は看護師長だけが本当に悪かったのか、疑問です。
もちろん、裁判では見識ある方達が当時の状況から判断し、その上での判決だったのでしょうけれど・・・。

「もう休めない」ということは、度重なる休みを請求していたということでしょう。
その人だけでなく、師長は他のスタッフの疲労や不満も考えて言っていたとしたら?
その人が正規職員だったとして、1人だけ休みを続けて認めるということはできませんね。
本人の職業意識も、どうなのかわかりません。

看護師の世界はもともと女社会で、新人の頃に厳しい指導を受けて育った人は、私だけではないと思います。
しかし、「パワハラ」「マタハラ」という言葉ができた現代では、自分達が新人の頃に受けたのと同じ指導をしては、パワハラととられてしまいかねません。

子供を抱えた母親が働く環境・制度は、いくら法律を整備しても、それを活用して皆がwin-winとなるには、まだまだ時間がかかりそうです。
というより、そんな時は来るのでしょうか・・・?