死に至るフルニエって?



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DM+蜂窩織炎→フルニエ症候群

ただの蜂窩織炎ではない!

皮膚科に65歳の男性が、陰嚢が腫れていると受診しました。
当院は全くの初診で、病歴もあいまい。
そこで、皮膚科の医師は採血を行いました。

結果は
CRP=13
HbA1c=10.3

立派な糖尿病です。
しかし、全くの未治療であり、糖尿病という診断を受けたこともありません。
そもそも、健診を始め医療機関を受診することすらなかったのです。

陰嚢は全体がパンパン。
赤身も帯びています。
見た目としては蜂窩織炎のようですが、場所が場所だけに、泌尿器科にもコンサルトしたいところ。

本来ならその日のうちに泌尿器科にかけるべきですが、泌尿器科がその日は休診。
皮膚科の医師はとりあえず抗生剤を処方し、翌日必ず泌尿器科を受診するように患者さんに伝えました。

蜂窩織炎なら、皮膚科でいいんじゃない?と思うでしょう。
実際、CRPも高かったのですし、抗生剤治療を開始すればそれで治療法としては間違いではなさそうですよね。
皮膚科の先生はなぜ、そんなに急いで泌尿器科にもかけたかったのでしょうか?

糖尿病の既往歴がある患者が、陰部の感染症を起こしたら危険!

フルニエ症候群
フルニエ壊疽
壊疽性筋膜炎

この病名を聞いたことがあるでしょうか?
私はちょっと前に、初めて耳にしました。
泌尿器科の参考書にものっていないこの病気、実は致死的な病気なのです。

壊疽性筋膜炎は、蜂窩織炎よりも更に深い場所、筋膜に広範囲に細菌感染が広がって、組織壊死を生じる感染症です。
感染の範囲は、水平方向で、かつ急速に拡大していきます。

症状は急速に進行し、病変部局所の紫斑、水疱、壊死が見られます。
それとともに全身症状も著明となり、高熱、関節痛、筋肉痛、血圧低下、呼吸困難、肝障害、腎障害、消化器症状、意識障害なども起こします。

原因となる菌は多数あるのですが、中でも劇症型A群溶連菌感染症では、突然敗血症性ショックを起こし、多臓器不全をきたして亡くなることもあります。

この壊疽性筋膜炎が陰部にできた場合を、フルニエ(Fournier)壊疽・フルニエ症候群と呼びます。
糖尿病などの基礎疾患を有する人が陰部の外傷、性器感染症、肛門周囲膿瘍などを起こした際、そこから発症します。

肛門周囲膿瘍が命に関わる?
ピンと来ない方もいるでしょう。
私自身も、まだ本当にその場に居合わせたことがないので、本当かな?と疑問に思っていました。
しかし、翌日泌尿器科を受診したときの医師の反応から、やはり(これは相当まずい状況なんだ・・・)と感じました。

フルニエ症候群になってしまうと、外科的デブリドマン(切開・排膿)が、救命のためには必須です。
皮下組織の変性、壊死部分は十分に取り除く必要があり、術後も繰り返し洗浄する必要があります。

しかし、その状態に至る前になんとかしたい。
その男性患者さんは、発赤が明らかに広がってはいましたが、壊死はしていませんでした。
また、下着に膿が急に出て来たというので、これはもう切開して膿を出しきるしかない、となりました。
もちろん、そのまま処置をして入院です。

実際にフルニエ症候群の症例にあたった泌尿器科の医師によると、本当に黒色を呈す壊死を起こしたら、数時間でショック状態になってしまうというのです。
ヒエーッ! (*´Д`)

エコーで念入りに穿刺部位を探し、局所麻酔をかけてメスで切開しました。
大量の膿が出てきて、あてておいた尿取りパッドを超えてしまうくらいに流れ出ました。

そして、カテーテルチップを直接切開した場所に挿入し、じゃんじゃん生食で中を洗いました。
最後にヨードホルムガーゼを中に入れ、またオムツをあてて処置は終わり。

まだ片方の陰嚢しか切開していませんが、ここで反対側の感染が拡大してくるようならば、そちらもまた切開しなくてはなりません。
しかし、切開するのは簡単なようで、簡単ではありません。
誤って精巣を刺してしまっては困るし、開放した傷自体の治りも、糖尿病が故に悪いのです。

新たな傷を作ってまで切開するべきか・・・という、難しい駆け引きの中処置は進みました。
結果としては、翌日の包交時までにかなりの膿が出たらしく、切開した側はぺちゃんこになっていました。

あとはCRPが落ちてきて、切開していない方の陰嚢も腫れが治まってくれればよいのですが・・・。
しばらく入院で、毎日処置+抗生剤点滴となりました。
そして、一番の根源である糖尿病の治療も、同時に行うことになりました。

たかがちょっとした感染症・・・と侮るなかれ。
糖尿病に合併すると、命を落としかねない事態になるのです。
滅多にある症例ではないですし、この患者さんもフルニエ症候群の一歩手前のところでなんとか食い止めることができました。

人間誰しも、小さな怪我をしたり傷ができることなんてありますよね。
そこから菌が入ってしまうことだって、珍しいことではないでしょう。
フルニエ症候群を調べるうちに、、本当に糖尿病は命を脅かす病気なんだ・・・と実感しました。
(それなのに、平気で放置している人は後を絶ちませんが)

ただ赤く腫れてるだけでしょ。
蜂窩織炎でしょ?

そう思ってはいけません。
壊疽性筋膜炎自体は、陰部だけではなく四肢に起こることもあり、切断に至るケースもあるとのことですから。



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