腎臓が動く!?



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やせているから、尿潜血?

健康診断で、尿潜血陽性となったら?

40代の女性が、健康診断で尿潜血が「要精査」となったために泌尿器科を受診しました。
健診で指摘されて泌尿器科を受診するのは、尿潜血かPSA(男性の場合)です。
タンパク尿単独の場合は、腎臓内科もしくは内科で精密検査となります。

さて、尿潜血陽性は何の病気を疑っているでしょうか?
膀胱癌ですね。
尿管結石や膀胱炎の時にも、尿潜血は陽性となります。
しかし、健康診断は膀胱癌がないかを調べなければ、精密検査をしたことにはなりませんし、健康診断を受けた意味がなくなります。

尿潜血が陽性と出たからといって、膀胱癌の可能性はそう高くはありません。
これが、バリウムや内視鏡で胃癌を指摘された場合と違うところですね。

なぜなら、健康診断における尿検査は腎障害や膀胱癌の患者さんを「ひっかける」ことが目的なので、かなり大雑把な検査なのです。
顕微鏡で血球成分を数える尿沈査ではなく、テステープでみるだけの尿定性検査ですから。
本当に潜血が出ているのか、病的かどうかは、泌尿器科で調べる必要があるのです。

では、どういった検査をして膀胱癌かどうかを調べていくのでしょうか。
どの疾患についても言えることですが、いきなり侵襲の強い検査はしません。

ですから、尿の定性・沈査の再検査をまずは行います。
この時に、尿細胞診も追加して、尿に癌細胞が含まれていないかを検査します。
それから、非侵襲的な超音波検査。
その次に少し侵襲が加わり、KUB(腎臓・尿管・膀胱のレントゲン写真)、CTなどが出てきます。

尿細胞診は当日結果が出ないので、後日説明することになります。
そして、結果として怪しいな、となったら、膀胱鏡を行って生検するというのが、一般的な流れ。

この40代の女性患者さんも、尿検査・細胞診・エコー・KUBを行ってその日は帰り、翌週結果説明ということになりました。

尿潜血の理由は、遊走腎

健康診断で指摘されても、実は本人には全く症状のないことがよくあります。
これを、無症候性血尿と言います。
肉眼的に見てわかる血尿ではないことも多いです。

だからこそ、検査をして白黒つけたいところなのですが・・・。
この女性も、細胞診では結果は陰性、エコーでもそれらしきものはうつりません。
でもやはり、再検査でも尿潜血は2+で、沈査でも少量の赤血球が出ています。

うーん、なんだろう?
私が結果を見て考えていると、先生がKUBを見て言いました。
「この人、ユーソージンだね。」
What?? (´・ω・`)

私も初めて聞いた言葉で、文字もどんな字かわからなかったのですが。
「遊走腎」と書きます。
字のごとく、腎臓が遊走(動いて)しまうのです。

痩せ型の女性にあることなのですが、臥位と立位で、腎臓の位置が変わってしまうのです。
立位で腎臓が2椎体分下がることを、遊走腎と定義されるそうです。
この女性、確かに痩せ型でした。
そして写真を見比べてみると・・・確かに、腎臓が下がってる!!

こんなこともあるもんだなぁと、その時初めて知りました。
結果を言うと、遊走腎は悪いものではないので、これ以上の検査は必要ないし、これといった治療もありません。

ただし、毎年健康診断を受けると、引っかかってしまいます。
・・・紛らわしいですね。

でも、これから先ずっとこの女性が膀胱癌にならないかというと、それはまた別問題。
どうせ遊走腎のせいだから・・・と放っておいて、実は本当に膀胱癌を発症してしまっていたら困ります。
ですから、子の女性は潜血が出るだろうな、と思っても定期的に健康診断や泌尿器での定期検査を受けなくてはなりません。
それに、もしタンパク尿が出た場合には、また別の疾患の可能性もありますから。

医師は、限りなく遊走腎による血尿であるとは思われるけれども、今後引っかかった年には泌尿器科を受診してください、と説明しました。
私のようなおデブちゃんからすると羨ましい限りですが、やっぱり紛らわしいですね。