バリックスから潰瘍に



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はじまりはバリックス

看護師の職業病、バリックス

看護師と言えば立ち仕事。
1日の仕事が終わって家に帰ると、動きたくなくなりますよね。ひどいときは、だるいを通り越して、痛いって時もありませんか?

そして、ただだるい・痛いだけでなく、静脈が盛り上がってくる下肢静脈瘤=バリックスのできている人もいます。
だから、看護師は弾性ストッキングをはいている人がおおいですね。私もそうです。バリックスまではできていませんが、やはり1日が終わったあとの足の疲れ度が違うので。

でも、立ち仕事って看護師に限ったことではありません。
例えば、ショップの店員さん、工場の生産ラインに立っている人、交通整理員etc.
立ち仕事にバリックスと糖尿病が重なると、どうなるのでしょうか?
今回は、バリックスってこんなことになっちゃうの!?という症例のご紹介です。

うっ滞性皮膚炎→潰瘍!!

当院に通院中の、40代の男性です。
体重は3桁、超肥満です。
そして、糖尿病治療中(HbA1c7%代)。

ある日、足が痛いといってやってきたこの男性。
見ると膝下が真っ赤!!そして、一部には自分で処置したであろうガーゼが貼ってありました。
ガーゼをめくってみると、ひどい潰瘍!!

確かにこの患者さんは糖尿病なので、糖尿病性足病変が起こってもおかしくありません。
神経障害があるでしょうから、見た目ほどには潰瘍による痛みは感じないのでしょう。
でも、足首から膝までしか発赤はありません。
なぜこんなことになったのでしょう?

最初は何かの怪我から始まったのかなと思いましたが・・・。
外科での診察の結果、うっ滞性皮膚炎から潰瘍に至ったということでした。
ではなぜうっ滞性皮膚炎が起きたのか、ということですが。ここでバリックスが出て来るのです。

この男性の体重を支える足は、日々相当の負担がかかっています。おまけに仕事は交通整理員ということで、ずっと立ちっぱなし。
こうして立ちっぱなしの仕事に従事している間に、この男性には立派なバリックスができていました。

バリックスを放置したあげく、うっ滞性皮膚炎を起こし、それでも放置して足に負担をかけ続けたために、ついに潰瘍まで起こしてしまったのです。
うっ滞性皮膚炎の増悪因子としては、立ち仕事と体重だけではありません。
糖尿病がベースにあることも、災いしてしまったのです。

この患者さん、CRPも10を超えていましたし、立っているだけで自分の体重がかなりの負担になります。もちろん交通整理の仕事も足の負担です。
治療は、まずは抗生剤の点滴による投与です。しかし、同じくらい下肢の安静が必要。
そうなると、自宅に帰っては点滴も難しいし、安静もできません。

結局、この男性は入院による治療が必要になりました。
糖尿病というベースがあるとは言え、始まりはただのバリックスです。
初診の患者さんに説明する際に、バリックスを放置したらどうなるか・・・という写真入りのパンフレットをよく見せていますが、まさにその通りの状態になりました。

ただ足がだるいと放置していては、いつかこの男性のようになってしまうかもしれません。
座って仕事する訳にはいきませんけれど・・・せめて弾性ストッキングはみなさん履いておきましょうね!!