バリウム検査で、憩室炎



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手軽なバリウム検査・・・バリウムが残るとどうなる?

胃バリは胃カメラよりも手軽?

胃がん検診というと、胃カメラか胃バリ(胃透視)ですよね。
でも、胃カメラは医師のマンパワーも必要とするため、バリウム検査がまだ多いの実状でしょう。
一部の市町村では、住民検診も胃カメラかバリウムか選択制になってきましたけれど。

では、バリウム検査はいいことばかりかというと・・・そうでもありません。
それなら全員胃カメラを受ければいいのかとうと・・・そうとも言えません。

カメラもバリウムも、一長一短がありますから、どちらを選択するかは個人の自由。
とはいえ、検診の場合はその財源(市町村なり、企業なり)が検査項目を決めることが多いので、個人で選ぶことは難しいのですけどね。
胃カメラと胃バリ(胃透視)を、簡単に比較してみました。

カメラとバリウム

うまい具合に、それぞれのメリットがデメリットを補う形になっています。
ここで、バリウムのデメリットにあげた赤字部分。
これに気づいていただけたでしょうか?

今回は、バリウムの一番のデメリット、憩室炎ついてお伝えしようと思います。

バリウム検査後の腹痛・・・原因は、残ったバリウムにあり

40代の男性が、ある日腹痛で来院しました。
しっかりスーツを着ていて、いかにもビジネスマンって感じ。
痛みがひどくなってきたとのことで、外回りの仕事中に病院を受診したとのことでした。

腹痛ですから、まあとりあえず腹部単純レントゲンへ案内。
そこに映し出されたものは・・・腹部の白い物体。
肺炎などで見る陰影とも違います。
はっきり真っ白に写っている部分があるのです。

さて、この白い物体。
これがどうも腹痛の原因ではないかと思われました。
本人にこころ辺りを聞いてみると、その正体は・・・バリウム‼

この男性、バリウムを作っている会社の社員だったのです。
自分で製品を使って実験台になったのが、1週間程前の話。
もちろん下剤を飲みましたが、出し切れずに残っていたのですね。

診断は、バリウムによる憩室炎。
憩室は、大腸にできてしまうくぼみのことです。
普通はそこに溜まるのは便なわけですが、この男性の場合はバリウムが停留してしまったのです。
採血結果でもCRPが7代と、炎症所見もあります。

入院してもいいけどね・・・と本人に進めましたが、そこは日本のサラリーマン。
おいそれと仕事に穴をあけるわけにはいかないと。
5日間抗生剤の点滴に1日1回通ってもらうということで、治療していく方針が立ちました。

5日後には採血データも改善し、本人の症状も軽快。
ただし、憩室に残ったバリウムはまだありましたが・・・。
本人が、症状がとりあえず治まればよいということで、日が経って出ていくことを願うことになりました。

バリウム自体は、毒性もなく安全なものです。
しかし、身体から出し切れなかったときには、このように憩室炎を起こしてしまいます。
ひどい場合はイレウスにまで発展することもあるとか。

胃カメラと違って、胃バリは放射線技師と看護師(それも、注射の時だけでいい)だけでできますから、医師が少ない医療機関においてはやりやすい検査かもしれません。
しかし、その後の対応を誤ると、このように医原性の疾患に罹ってしまうこともあります。

もしバリウム検査を受けるなら、患者さんへの指導を行うのは私達看護師の役目です。
バリウム排泄を促すために、下の点を必ず説明しましょう。

これを指導しよう バリウム検査後の注意点

・バリウムが固まる前に、身体から出し切ること
(普通の色の便が出るまで2日はかかる)
・水分を多く摂ること
・食物繊維を含む食べ物を多く摂ること
・下剤を飲んでも2日排便がなかったら、受診すること
・その他腹痛や発熱等の症状がある場合も、受診すること

バリウム検査は、全く侵襲のない検査ではありません。
メリット・デメリットを把握した上で、検診者・患者さんへの対応をしましょう。