カプセル内視鏡は、万能ではない



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下剤を使いたくないから、カプセル内視鏡!?

カプセル内視鏡は、万能カメラ?

近年、カメラを搭載したカプセルを飲み込むことで行う、カプセル内視鏡を行う医療機関が増えて来ました。

カプセル内視鏡は、口からも大腸からも、通常の内視鏡カメラを挿入しません。
ですから、ゲーゲー・オエオエすることもなく、痛みもなく検査することができます。
これらの嘔吐反射や痛みに対し、鎮静剤を使う必要もありません。
ですから、従来の内視鏡に比べると苦痛は少ないと言えるかもしれません。

また、大腸カメラは肛門からカメラを入れることになるので、どうしても羞恥心が伴います。
肛門部だけ穴の開いた、ディスポの紙パンツを使用する医療機関がほとんどですが、それでも胃カメラに比べると、抵抗感のある検査です。

そんなわけで、私の勤務先にも最近、カプセル内視鏡に対する質問や問い合わせを受けることが増えて来ました。
下剤を使いたくないし、痛いのが嫌なのでカプセル内視鏡をしたいという・・・。

これはちょっと、誤解していますね。
カプセル内視鏡というのは、本来小腸を見るための検査なのです。
胃カメラでも大腸カメラでも、つまり上下からのカメラを行っても観察できない場所、それが小腸です。

ですから、胃カメラと大腸カメラをやっても、下血などの症状の原因が見つからない場合に行うものなのです。

それに、結局は消化管全てを通りながら撮影するのですから、下剤は必須。
当院では、カプセル内視鏡も注腸(バリウム)も大腸カメラも、皆同じ下剤セットを使っています。
ですから、「下剤を使いたくないからカプセル内視鏡を」というのは、明らかな誤解なのです。

また、仮に適応があったとしても、入院が必要なことや、検査代だけで3万円ほどかかる(3割負担で)という案内をすると躊躇する人も大勢います。
胃癌も大腸癌も気になるから、検査をしたい。
でも、恥ずかしいのも痛いのも、下剤も嫌。
そんな人が期待を寄せるのが、カプセル内視鏡。

ところが、医療機関側からみると、カプセル内視鏡は万能ではないんですね。
術者(検査をしている医師)の気になる部分を丁寧に観ることもできないし、生検だってできません。
やはり、通常の胃カメラや大腸カメラの方が、カメラとしての性能は高いのです。

通常のカメラなら日帰りでできますが、カプセル内視鏡になると入院が必要になります。
入院患者を一人抱えることで医師が抱える負担は、全く違います。
入院診療計画書を始め、退院まで様々な書類が必要になりますし、細かな指示も出さなくてはなりません。

そういった意味も含め、「なんでもかんでもカプセル内視鏡」ということは、現場ではないんですね。
私自身、あまりカプセル内視鏡に対する知識がなかったものですから、当初は患者さんからの質問や問い合わせにオロオロしました。

今では、かいつまんでメリットとデメリット、それから肝心な適応の有無について話ができるようになりました。
看護師も、こうやってどんどん新しいことに対する知識を求められていくのです。
いやはや、本当に日々勉強、ですね。



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