ほんのわずかの時間でも、看護師のことをよく見ている



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患者さんは、よく見ている

貸したボールペンが返ってきた

ある日、熱傷を負った30代の男性患者さんが受診しました。
会社の車で連れて来られたのですが、陰部を中心にひどい熱傷。
座った状態で熱湯をかぶってしまったということでした。

トイレにもいけませんし、このあと尿道が浮腫を起こしたら、Hrカテも挿入が難しくなるだろう・・・ということで、熱傷処置をしながらHrカテ留置。
股が触れるだけで強烈な痛みを伴うので、ストレッチャーで病室へ運び、そのまま入院となりました。

私が勤務する外来では、緊急入院の際に外来スタッフが家族に入院のしおりを渡します。
誓約書類は連帯保証人が必要なので持ち帰っていただきますが、緊急連絡先だけは病院を出るまでの間に記入してもらうことになっています。
その日も私は、患者さんの処置や入院準備の間、奥さんにボールペンを渡して「緊急連絡先を書いておいてください。」と頼みました。

1週間後、その患者さんの部屋へ、別の男性患者さんの入院をあげるために訪室しました。
その時、突然私のところに奥さんがやって来ました。
「ボールペン、有難うございました。」って。
緊急連絡先を書くために渡したボールペンでした。

ボールペンが返ってきたことよりも、私のことを覚えていたことがすごいなあと思いましたね。
だって、外来は病棟と違って、入院までの限られた時間しか接しないのですから。
しかも、その患者さんはそれまで外来通院していた人でもなく、飛び込みで受診した新患さん。

その人の記憶力がいいのかもしれませんが、奥さんと言葉を交わしたのは、患者さんよりも更に少ない時間です。
患者さん本人が私に気づいたのだとしても、痛みの中で処置を受けて病室に上がるまで、1時間位の間しか一緒にいませんでした。

それだけの短い時間での関わりであっても、患者さんや家族は看護師のことを覚えているものなのですね。
私自身、びっくりしました。

そこで何を考えるか?
外来で患者さんと接するのは、多くが1時間未満です。
在院時間は待ち時間にもよりますが、私達が実際に言葉を交わすのは、検査説明等がなければ10分もありません。
そんな中で、患者さんはよく看護師を見ているものですね・・・。

そして、その少しの時間に私達のとった対応が、患者さんの中でいつまでも残っていくと考えたら・・・少し気が締まる思いがしませんか?
その時その時、一瞬の出来事に気を抜かず、後で会ったときに恥ずかしくないようにしなくては。

私達にとっては、1日に接する患者さんの中の1人にすぎません。
特に外来は、100人200人の中の1人です。
しかし、患者さんにとっては今日あった唯一の看護師かもしれません。
その看護師がどんな対応をするか・・・覚えていてもおかしくありませんよね。

一つ一つのことを丁寧にする。
あとで後悔することのないように。
そんなことを改めて感じさせられたボールペンでした。