健診は超過密スケジュール



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検査って、何からやってもいいの?

1日でこんなに受けるの!?健診は超過密スケジュール

企業健診、住民健診、人間ドック・・・これらは、病気になっていないことを検査するためにはとても大切です。
各種健診や人間ドックは、半日で行うことが殆ど。
それは、食事抜きで来院する検査ということもあります。
それに、健診に丸1日かけられる人も、そうはいませんからね。

そうなると、限られた時間の中で、決められた項目の検査を終わらせなくてはなりませんから、なかなかの過密スケジュールです。
案内する側も、段取り良くまわさなければなりません。

実際に、半日(もしくは1日)で、どれだけの検査を受けるものなのでしょうか?
費用を負担する自治体や会社が指定した項目だけを行う場合、個人的に費用を負担してオプション検査まで擦る場合では項目の数はかなり変わります。

半日でこんなに受けるの!?

さて、これら全てを受けるわけではないにしろ、結構な数です。
身体検査はぱぱっと終わってしまいますが、オプションの検査では医師の都合や検査室の空き具合によっても、待ち時間が生じます。
これらは、通常の外来業務が行われている中で、合間に押し込んでいくようなものだから。

また、女性特有の病気というと、乳癌・子宮癌。
乳癌検診にはマンモグラフィやエコー・触診がありますし、子宮癌健診は細胞診に内診、場合によっては経膣エコーも行います。

検査の場所だけでも外来・検査棟をあちこち動き回らなくてはなりません。
たくさんの健診者をこなすためには、有効に時間を使う必要があり、皆同じ順番で回らず、人によっては先にレントゲン、人によっては先に腹部エコーとなる場合もあります。

これらの采配、受ける方は段取りよく・待ち時間なくやってもらえるものと思っていますが、する側としては絶妙なバランスが必要になるのです。
そして、少し順番を間違うと検査が台無しになってしまうこともあるのです。

レントゲンと胃カメラ、どっちが先?

ある日、1人の健診者をこのような順番で案内を受けました。

➀採血・検尿
➁身体検査
➂心電図
➃腹部エコー
➄胸部レントゲン
➅健診室戻り・診察(胸の聴診含む)
➆胃カメラ

ところが、その日は外来からの検査も立て込んだため、➃の腹部エコーが終わった時点で➆胃カメラの予定時刻になってしまいました。
内視鏡室は午後の検査も踏まえて早く早くと健診室をせっつきました。
そこでどうしたか?
➄胸部レントゲンと➅健診室戻り・診察(胸の聴診含む)を後回しにして、とりあえず➆の胃カメラを案内したのです。

これ、とてもまずいのですが、なぜこの順ではいけないかわかりますか?
胃カメラの後で胸部レントゲン撮影を行ったら、どうなるでしょうか?

まず、胃カメラでセデーションをかけてしまったら、フラフラです。
その後レントゲンを立って撮影するのも、健診室に待機している医師の診察を受けるのも、ヘロヘロ状態です。

何よりも、胃カメラを受けると胃の中は空気を入れ膨らませるので、パンパンになります。
最後に抜いてくれるのですが、それでも終わった後もゲプゲプとこみあげる感じがします。
これ、私自身が胃カメラを受けて実感したのですけれど。

その状態で胸部レントゲンを撮影すると、どのような画像になるでしょうか?
胃内の空気におされて横隔膜が上がり、肺野がとても小さくなってしまうのです。
これでは、検査の意味をなしません。

結局、この健診者には事情を説明して、後日レントゲン撮影を受けてもらうことになりました。
こちらも、本人も大変な労力です。
1枚分とはいえ、放射線も余分に浴びることになります。

健診というのは、本当に過密スケジュール。
通常の外来では少しずつ検査を進めていきますが、健診ではほとんどの場合半日で終わって、さっさと帰るつもりで来院しています。
段取りよくまわす、それでいて検査を台無しにするようなことをしてはいけない・・・。

健診室や人間ドックの部署に配属されるのは、ほんの数人の看護師とあとは医学的知識のないクラークや看護助手です。
それらのコメディカルにも、教育しなくてはなりません。

病人と違い、健診に来ていてすわ一大事ということはまずありません。
逆に元気な人達だからこそ、上手にまわさないとクレームの嵐になります。

私はこの話を、偶然レントゲンの技師さんから聞きました。
外来の患者さんを案内した時に、「なんだこれ!!」と大声をあげたのを聞いたからです。
胃カメラを先に済ませていたとは知らない技師さんが、予定通りの健診者だと思って胸部レントゲン撮影を行ったら、ものすごーく小さくなった肺がうつったのです。

健診に携わる看護師は、ごく一部です。
私を始め、多くの看護師はこのように健診を受けに来た人に検査の順番を説明することはないでしょう。
しかし、この失敗を自分もすることはないのか?と考えました。

十分にありえます。
私達が病棟勤務や外来勤務をする上で、複数の検査に患者を案内することがあるからです。
腹痛・胃痛を訴える患者さんにCT・腹エコー・胃カメラを同日にやることがありますが、これだって同じ。
エコーもCTも、胃カメラのあとでは空気が入ってしまって、まともな結果を出せません。

どれから検査をしたらいいのか?どれを後にしてもいいのか?
大したことないかもしれませんが、その采配で結果やその後の動きが大きく変わるのです。
私達は、ただルーティンワークをこなすのではなく、一つ一つエビデンスをもとに行動しなくてはいけませんね。