熱中症に、格差社会が現れる



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格差社会を感じる時

エアコンは罪?それとも神?

ここ最近の夏は、以前よりもとても暑い気がしますよね。夏の体調管理に困っている方も多いのでは?
ナースである私は、日中は病院にいつので、適度にエアコンが効いている場所にいます。通勤は車なのでエアコン、自宅でもほぼ同じ条件になるようにほぼエアコンを付けています。
エアコンをつけるということは、贅沢だとかエコじゃないという方もいるかと思いますが、もう贅沢という時代ではありません。

現代の猛暑を乗り切り、体調を崩さずに仕事をし続けるためには必要なもの。
日中仕事で走り回っていて、夜熱くて目を覚ます・・・夜中に子供が汗だくになって起きて「ママ暑い~」と起こされるなんてこと、ありますよね?
これをされると、私なんか途端に体調を崩します。眠りは寸断されるし、熟睡できないし。
そして、暑いとやたらと冷たい飲み物をのんで身体がだる~くなりますしね。

だから私は、ここ数年は体調管理のためにもエアコンは温度は高めですが夜中もかけています。
ところが、これができない人・やろうとしない人がいるのです。
エアコンをかけるのはお金もかかるし、そして何より高齢者には罪のように感じてしまうのですね。あつい昼間だけしかかけてはいけない・・・みたいな。

確かに朝4時頃は涼しいので、エアコンなしでも過ごせます(私の地域では)。でも、7時にもなると家事をしているだけで汗だくです。
でも、とくに高齢者程エアコンをかけることに罪悪感を抱いてしまうよう。
私には罪どころかエアコンは神様ですよ・・・。

エアコンがあっても、使えない人達

エアコンをかけることの罪悪感から暑い室内で耐え続け、結局熱中症になって受診する人がいます。これはやろうとすればできる環境にある人達。
一度痛い目に合ったり、医師から強く言われれば、エアコンをつけて水分摂取に気をつけるようになります。

ところが、熱中症を起こす高齢者の中にはエアコンを使いたくても使えないという人達がいるのです。
若い患者さんの熱中症は、仕事上どうしても過酷な環境にある人達。ところが、高齢者で熱中症になる患者さんの中には、かなりの数でエアコンをかけられないという人がいるのです。

なぜでしょう?ズバリ、お金です。
経済的に苦しいため、エアコンをかけられない。
熱中症対策にはOS-1がいいと言われても、OS-1高い。
結局家でお茶を飲んですごし、どうにもこうにもならなくなって、本当に動けなくなって家族が連れてくる・・・。

先日来院した患者さんもそうでした。
ぐったりしている上に、患者さん本人も息子もとても清潔な服装とはいえない身なりをしています。
受診した時点でかなり脱水が進んでいて、腎機能も悪化しています。
しかし、入院をすすめても、入院費がかかるのでできないと言うのです。

仮に今1本点滴をしたところで、予備力の低下した状態で自宅に戻っても、またすぐに熱中症になるのは目に見えています。それでも入院はできないと言う。
せめてもう1本点滴していくように言っても、息子は仕事があるから2本も点滴している時間はないと言うのです・・・。
では、病院に何を求めてきたのでしょうか?一発で脱水が改善されて元気になる注射を期待しているのでしょうか?

そして、悲しいことにそんなに仕事をしているのに、経済的には苦しい。
そもそも、今の80代や90代の人達の年金は、私達親世代がもらうよりも高いです。実際、高齢の親の年金を、子供や下手したら孫世代が生活費としてあてにしているケースがあるのです。

この患者さんの場合も、90歳を超えていましたからまともに年金を受け取っていれば、こんな非常事態の時にエアコン代や入院費が払えないなんて考えにくいです。
それに、高齢者の入院費は基本1割負担。そこに多少の自費請求分がかかるくらい。
年金は、本来その高齢者のためのもの。就労についている息子が、なぜ数日の入院をさせられないのでしょう?

どんな事情があるにせよ、病院としては命の危険があるものを息子の言うなりにはできません。
医師と私は、今日は点滴1本でいいにしても、明日もまた来るようにと言いました。ところがこの息子は、何といったと思いますか?
「あんたたちにそんなこと言う権利があるわけ?だったらもう、この人死んでもいいよ!!」

言葉が出て来ませんでしたね・・・。
確かに、いろんな仕事があって、給料は全然違います。いろいろな金銭的事情もあるでしょう。
でも、これでは医療費補助の出る生活保護世帯の方が、生活レベルが高いと言えるのではないでしょうか?

結局、連れて来るのは家族です。
それに、お金を払えないと言うのを無理に入院させて、病院が医療費を負担するわけにもいきません。
その患者さんは、息子の言う通りに1本点滴をして帰りました。そして、次の日には来ませんでした。
その後熱中症を乗り切ったのか、それとも刻々と状態が悪化したまま家にいるのか・・・わかりません。

エアコン一つをとっても、経済格差を感じずにはいられませんでした。