品格って必要じゃない?



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医師の品格、患者の品格

紹介状に、患者の悪口を書く医師

ある日、68歳の男性患者さんが、紹介状をもってやって来ました。
病名はアルコール性肝障害、それと貧血。
ものすごい肝障害というわけではありません。徐々にHbが下がって来ているので精密検査をお願いします、という内容。Hbは10mg/dlを超えていましたし、ひどい貧血ではありません。

これって要は、面倒な患者をよそに送りつけたいだけ・・・最初からそう読みとることができました。
クリニックは、近所の患者さんがかかることが多いですね。そうなると、どんなに嫌な患者でも家から一番近いからと、何かあるたびにそのクリニックを受診することになります。
そこで、自分のクリニックよりも大きい病院に送って、「そのままもらってくださいね」とすることが往々にしてあります。

おそらく今回もそう。
というより、100%そう。

私がそう断言できる理由は、持参した紹介状の文面です。
「斯様な全く言うことの聞かない患者ですから」
“斯様な患者”というフレーズだけでも、一枚の紹介状に4~5回出てきました。
かような、なんてことは普通書きません。もし本当に理解度が悪い患者であっても、書きません。
まあたいていは、「患者さまのコンプライアンスの問題もあり・・・」なんて具合に、少し濁しつつ要注意ですよというニュアンスを込めるのがよくある紹介状。

それを、「斯様な」「言うことをきかない」なんて送りつけてくる時点で、医師の品格を疑ってしまいます。
昔からあるクリニックですが、絶対にそんなところには受診したくないし、勤めたくないなと思いましたね。

本当に、医師というのは自分がエライと思っているから困ります。

患者の品格

ではこの患者さん、本人には問題がなかったかというと、やはりかばいきれないところはありました。
確かに、「言うことをきかない患者」なのです。

私が問診に行った際、左腕にたくさんの湿布をべたべたとはっており、腕一面が湿布で覆われた状態。
余程痛いのだということはわかりましたが、明らかにこれは理解力が低い人の行動。
そして、「この腕はどうされたのですか?」と私が聞くと、
「痛風だっていってんだろ!!」というありさま。

もちろん私は初対面で、腕について聞いたのは初めて。
当院でも、症状を聞いたのは私が最初。
それなのにいきなりこの物言いは、やはり60代の男性、つまり大人の男性としては品格に欠けると言わざるを得ないでしょう(じゃあ自分はどうなんだって言われると困りますけどね)。

その患者さん、妻子はなし。
見た目は60代とは思えず、ついてきていた弟さん達とは親子に見えるくらい老け込んでいました。
みなりも清潔とは言い難く、採血のときに拭いたアル面が茶色くなりました。

そのような人だから、妻子がいないのか。
妻子がいないから、そのように荒れた生活になり、社会性に欠けるのか。
それはわかりません。
(だからといって、紹介状に斯様な患者なんて書くのは、やっぱりオカシイ。)

高齢化社会といっても、68歳という年齢はもう後半に差し掛かっているのです。
そんな時にやはりある程度の言葉使い、我慢、協調性、社会性というものはあってしかるべきではないでしょうか?
最近問題になっている独身の年輩男性には、このような人が多いように思いますね・・・あくまでも、私の個人的な感覚ですけど。
連れて来ていた弟さんたちも、申し訳なさそうにしていました。

医師も患者さんも、いいえ、この社会で生きていくには、どんな立場の人間であっても「品格」って必要じゃないでしょうかねぇ。
そんな風に思った紹介状&症例でした。



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