嫌われ者の、心の内



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本当はあの人も、傷ついている

憎まれ役、やりたくてやっているわけじゃない!

私の勤務する病院にいる、とっても怖いU師長。
その日の機嫌によってからみ方が違うので、入院を上げる外来スタッフは、その日の機嫌やU師長が勤務しているかどうかで、ストレスが大分違います。

さて、そのU師長は、ただ機嫌で左右される人間というだけではありません。
やはり周囲に認められるだけあって、仕事に対する姿勢が厳しいのです。
だから、「逃げ」や「適当」を徹底的に嫌います。

そんなU師長は、院内の医療安全委員会のメンバーです。
委員長は医師が行いますので、その下というポジションにはなるのですが、実際は事故報告を受けるのも実態調査をするのも、報告書の一覧や統計を出すのもU師長です。
自分にも他人にも厳しいU師長には、ピッタリの役だと言えるでしょう。

ある日、病棟で起こったアクシデントの調査のため、外来にも実態調査にやって来ました。
その時、U師長が外来に入って来た時、その場にいたスタッフ数人が「キターッ!!」とでもいうように、姿を見てコソコソとしたそうです。
そして、そのアクシデントに関与したクラークが呼ばれ、その人もビクビクしてU師長のもとへ行ったそうです。

そのアクシデントは、外来に受診した入院患者さんの指示受けの件だったので、その時診察に付いていたクラークが呼ばれたのです。
別にU師長はそのクラークを責めるつもりはなかったし、今後どうすれば事故を起こさずに済むかという解決策を考える、いたって前向きな用事でした。
まあ、口調はもとからのキャラもありますから、決して優しいとは言えませんでしたけれど・・・。

ひとしきり話を終えて、U師長が言いました。
『それにしても、あんた達、あの態度はなんなの!
失礼でしょ!
ああ、Uが怒りに来たって、どうせみんなで言ってたんでしょ。
私だって、やりたくてやってるわけじゃない。
でも、野放しにしておいたらミスするから、こうやって来てるんじゃない!!』

私は、皆がどのような態度をU師長にしたのかはわかりません。
あとから事情を聞いて、知りました。
けれども、この発言はU師長の本心だと思うんですよ。

自分が皆に怖いとか嫌われているのがわかっている。
でも、自分が厳しくしないと、皆“なあなあ”になってしまうから、自分が嫌われ役になって任務を遂行しているんだって。

確かに、インシデント・アクシデント報告が上がったあと、各部署に聞き取り調査に行って、担当者に事故の状況を説明させる。
報告書を提出させる。
看護師が看護師を責めているようです。

やりたくありませんよね、確かに。
それでさえ怖いU師長に、インシデント・アクシデントの状況報告なんて、出す方も怖いですよ。
でも、だからこそU師長の意味があるんですよ。

見せしめではないけれど、そうやって気が締まる。
小さな事故のうちに、対応策を練ることができる。
感謝しなくてはいけないんですね。
私達が事故を起こすのを、未然に防ごうとしてくれているのですから。

結果としては、私の部署は態度面で怒られた訳ですが。
まあ、それは当然ですね。
何よりも私は、U師長の本音が少し見えたようで、驚いたというか、安心しました。
U師長、実は傷ついているし、そんな嫌われ役から離れたいんですよね、きっと。

正面切っては言えないけど。
ありがとうございます、U師長。