看護師妊婦は、トラブルが多い



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8年目:頑張ることと、無理をすることの違いを知る

妊婦が妊婦の車椅子を押す・・・という事態

7年目に妊娠し、8年目は妊娠・出産を迎えた私。この間で思ったことは、看護師という仕事がいかに身体に負担がかかるものなのか、ということ。
5か月を迎えた頃でしょうか。救急外来の当直をしていたある日のこと、ギネ診察についてくれと夜中に呼び出されて救急に降りていくと、患者さんがいない。
どこにいるのか聞くと、なんと今準夜で勤務中の妊婦さんだという。

救急外来にはギネ用の診察台がないので、夜間でも外来を空けて診察することにしているため、先生が来る前に外来の準備をしていると、自分の部署から直接婦人科外来に患者さんが来ました。
準夜勤務中に出血したという妊婦さん、既に目がうるうるしていて、今にも涙がこぼれ落ちそう。

診察の結果、とりあえず今は大丈夫でしょうということでしたが、この後絶対安静と言うことになりました。お腹が大きくなり始めていた私が、車いすで部署まで送っていきました。
妊婦(私のこと)が出血した妊婦(患者さん)の車椅子を押して、暗い病棟をすすんでいく・・・なんとも重苦しい雰囲気でしたね。

その時点まではつわりに悩まされることもなく、何も問題なく順調な経過をたどっていた私。お腹が出ていることに、患者さんも気づいています。どう声をかけたらよいものか、困ってしまいました。
同じ妊婦だから言える言葉があるのか・・・。でも、「あなたは順調でいいわね」と思われそうで、何も言えないまま別れました。

妊婦が夜勤をやるということは、やはり身体に負担なんだろうなぁ・・・。当時、自分の部署の他の妊婦さんも出血して病気休暇中だったので、半分他人ごとでもあり、半分自分は大丈夫かとぼんやり考えながら、その日は当直控え室に戻りました。
そして、この日の当直が私の出産前最後の当直になりました。

まさか自分が!? 緊急入院と絶対安静

病棟の妊婦さんの診察介助について数日したのち、私自身にも少しずつ体調の悪化が現れました。午後になると、お腹が張ってくるのです。
しかし、当時いた外来は午後も大忙しだったので、健診の日以外で休むとは言えませんでした。
次の健診で張り止めを出してもらおう・・・そんな風に思っていました。先輩看護師が、そうやって乗り切ったという話を聞いていたから。

しかし、それでさえ人員が少ないところに退職や病気休暇が重なり、忙しさは日増しにエスカレートしていきました。
自分が妊婦であることも忘れ、病院内を走ってはいけないにも関わらず、本当に走り回っていました。

そしてある日。
朝からなんか痛いなあと思っていたけれど、駐車場から病院までの間に痛みが段々ひどくなり・・・なんとか更衣室で着替えて部署に移動する頃には、手すりを使って歩くほどになっていました。
外来はパートさんばかりなので、早くから出勤している人はあまりいません。多分まだみんな出勤していないし、相談しようもない。
どうしようかなあと思いながら廊下を歩いていると、その姿を見た師長がすぐに病院へ行きなさいと言ってくれました。

当時、自分の病院では産婦人科を閉鎖していたので、となりの市の総合病院にかかっていました。車なら20分程で着きます。
しかし、その時にはとても運転なんてできそうになかったので、実家に連絡して勤務先の病院まで迎えに来てもらうことに。今まで頼ったことのなかった私でしたから、母も飛ぶように来てくれました。

病院について、健診でもやったことのないお腹のハリを観るという検査をしたら、機械を着けてくれた担当さんがびっくりするのがわかりました。
産婦人科は全く素人同然でしたから、何かおかしいですかと聞きましたが、話をそらされてしまいました。
うーん、これは困ったな。明日も仕事休まないとかな・・・なんて思いながら、検査ブースで寝たまま先生を待つことに。

結果は切迫早産。しかも10分ごとに子宮収縮が起こっていて、危険な状態。
荷物を取りに帰ることもできず、本当にそのまま車椅子で緊急入院となってしまいました・・・。

まさかの事態でしたが、今まで自分が観て来た看護師の妊婦で、全くなんのトラブルもなく産休に入る人の方が少なかったのを思い、看護師って本当に身体に負担のかかる仕事なんだなと実感しました。
売店に行くことすら許可されず安静。24時間子宮収縮を抑える持続点滴を行い、2週間の入院となりました。
そして退院後も自宅安静が続き、結局病気休暇のままで産休を迎えることになりました。

いきなり自分の部署から2人の妊婦離脱です。私の前に病気休暇に入った先輩妊婦さんもまだ復帰しておらず、私まで入院です。当時の外来の人達には、本当に迷惑をかけたと思います。
でも、有難いことに、誰にも責められなかったのです。とりあえず退院して自宅安静となった時に病院に挨拶に行ったら、みんな本当に心配してくれました。
外来はママナースが多かったこともあるでしょうし、走り回っている姿もみんな見ていたから、いつかこうなると思っていたのかもしれません。

独身時代の私は、妊婦さんに対してどう接したらいいのかわかりませんでした。というのも、バリバリ働く人もいれば、すぐに休んでしまう人もいたから。
でも、自分のこの経験を経て、看護師として働くこと事態が大変なんだということを実感しました。

ギリギリまで夜勤をこなしてから産休を迎える看護師さん、世の中にはこんなスーパーマンみたいな人もいます。
でも、それを皆に求めてはいけないし、頑張ろうと思っても頑張れないこともある。
何より、無理することはダイレクトに赤ちゃんの命に関わります。

甘えたり、怠けたりするのはいいことではありませんが、それと無理をすることは違います。
無理をせずに、無事に産休を迎えられることが何より大事、ということを学んだ8年目でした。