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12年目:救急車が来るのに、救急外来がないっ!!

救急車を、一般外来で受ける病院

10年近くを公立の総合病院で勤務していた私。外来に降りても、基本は自分の担当ブロックである科だけを担当していました。
正規職員には救急外来の手伝いが課されていましたが、それも週1回くらい。本当に救急外来の看護師の「手伝い」でした。

だから、ちょっと離れたブースでの小児科の夜間診察や、ギネ診察につくことが多く、本当に手が足りないときは成人の救急受診者の検査周りとかをやっていました。
私達はあくまでも外来ナース、救急ナースとは全く別モノだったわけです。

それが、民間病院に転職してびっくり。
救急車を外来で受けるんですよ!!一般診察をしている横で。
しかも、普通に患者さんからの問い合わせと同じように、外線で「救急隊から電話です」ってかかってくるんですから、本当にビックリでした。
救急車というものは救急外来で受けるもので、救急隊からのホットラインはホットライン専用の電話が救急外来に直通でつながっているものだと思っていたのですから。

では、外来ナースの全員が救急車の受け入れをバンバンできるのかというと・・・それも違います。
まず、必ず逃げる人がいます。救急隊が到着すると、他の仕事に手をつけたりするような人が (-“-)
それと、スキル的に足りない人もいます。

じゃ、私はどうなのかっていうと、逃げはしませんでしたけれど、スキルは足りなかったと思います。それは、今でもそう。
ただ、救急外来の手伝いをしていたのがかなり役に立ちました。このあとの流れはどうなるのかとか、ある程度の予測が付きましたから。

それに、これは本当の重症者の搬送ではない、ということもわかりました。
本当の救急外来へ搬送される患者さんは、すぐに心カテやオペ室直行ということがありましたから。
一応全ての設備が整っているわけではないことを承知で、救急隊も患者さんを振り分けていたのです。

しかし、中には今にも亡くなるんじゃないかって人が搬送される場合もありました。特に、うちをかかりつけ医としている患者さんは、状況がどうであれ、基本こちらに搬送されましたから。
でも、自分にはそんなスキルがない・・・。
判断力も、観察力も、先を読む力も、疾患の知識も、そしてトリアージも。

そこで逃げることもできましたが、私にはどうもできない性分でした。
当時主任だった現師長が、私に総合病院の脳外科病棟や循環器外来、救急の当直経験があることを知って救急を任せてくれた(押し付けられたとも言う・・・)こともあり、なぜか私が「救急車受け入れの1番手」という位置づけになっていったのです。
でも、私のスキルはないまま。

一念発起、救急看護を勉強する

別に救急外来で本当に働いたわけじゃない。ただ、手足となって動いていただけ。
全然救急対応なんてできない。
ルートをとるのだって上手じゃないから、レベル低下やショックを起こして救急搬送される患者さんのルートなんて、すぐにとれない。

そこで私は、自腹をきってACLSを受講することにしたのです。
ACLSは国家資格でも認定ナースでもなく、AHAの提唱している救急対応の講習です。しかし、実際救急の場面ではこの方法が主流となっていることもあり、前病院の救急ナースは数年以内に皆受講していました。
教材も2万円を超えましたし、講習・試験は2日がかり。しかも5万円弱かかります。泊まりがけでしたから、交通費・宿泊費(食費)も込で10万円近くかかりました・・・。

試験の前には猛勉強が必要でした。循環器外来にいたとは言え、たかだか2年の経験でしたし、脳外科を離れてからも10年経っていましたしね。
薬についても学ばなければなりませんでした。
しかし、ここでの勉強は非常に有用で、救急に必要な最低限の知識や考え方を無駄なく学べました。
実際に受講後は少しだけ自信が持てるようになりました。
自腹は痛かったけど、挑戦してよかったですね。

実は、その3か月後に私はACLSの上位にあたる、ACLS-EPを受講しています。なぜなら、勉強すればするほど自分の未熟さや知識のなさ、判断力の低さがわかってしまったから。
これを克服するには、実際に症例を数多くみることと、勉強しかありません。症例はいつ来るかわかりませんが、勉強ならすぐに始められます。
せっかく覚えた知識が抜ける前に、熱が冷める前にと、すぐさまACLS-EPの申込をしたのです・・・。

結果として、私は11年目でACLS/ACLS-EPと二つを受講したので、総額で20万円近くの自己負担を余儀なくされました(ファミレスでの勉強代を含めたらもっとです)。
田舎には会場がなく、東京まで出ていったのも大きかったですね。

勉強期間、母にも子供にも迷惑をかけましたが、日々仕事のあとでファミレスで1時間~1時間半の勉強時間をとって帰宅していました。
それは今でも無駄になることはなく、今の私の病院での立場の根本ともなっています。

お財布から出て行った金額と、受講にかけた時間は非常に大変な負担でした。
でも、やはり外来で救急車を受け入れるなら、疾患を理解した上で携わりたいと思っています。
もちろん、本当の救急外来の人からみたら、なんてことのないことです。

勉強した上でわからないことは、もう医師に聞くしかありません。だから私は胸痛の患者さんのときには、先生に心電図の読み方を教えてもらうし、先生の判断の根拠を教えてもらいます。
そうすることで一つずつ経験を増やすことができて、コツコツとスキルアップできるはずだから。

しかし、勉強していなければただ怖い、関わりたくないとホットラインから逃げ、重症者から逃げていくことになります。
この行動の違いだけで、10年後には大きな違いが出ているハズ・・・と心に言い聞かせ、今日も電話に出るのです。