医師の懐事情



看護師ノート推奨の転職サイト



医師がバイトをする理由 

医師より看護師の方が、給料も待遇もいい!?

医師でタレントの脇坂英理子さんが、診療報酬をだましとったとして逮捕された事件、初公判で本人も内容を認め、その生活ぶりが報道されました。

彼女の場合は離婚後のホスト通いとクリニックの開業資金で借金がかさんだ・・・とされています。
(参考資料:産経新聞

彼女は確かに、行きすぎてしまった例です。
しかし、実は医師はお金のある人とない人の差が激しい職業でもあるんですね。

大学病院に勤務している医師は、40歳という中堅・バリバリに手術や診察をこなす年代であっても、大学からの給料は手取り25万円といいます。
私の勤務先に来ている非常勤の先生方に話を聞くと、病院勤務でお金をもらえるようになるのは、教授にまでなるような人だけだと。

でも、そんな人間はごくわずか。
だから、民間病院へ大学病院の医局からバイトを出すんですね。

医師のいない中規模の民間病院もありがたいし、大学病院も若手の経済的支援になるためありがたい。
医師の方も、若いうちは大学病院にいないと、勉強できないことも多いので、大学病院に籍を置きつつバイトに励むのです。

通常の診療をこなして、バイトもする。
論文作成の準備もしなくてはならない。
帰るのは毎日仕事が終わったからではなくて、「これ以上遅くなると、明日に支障が出る時間」だから。

実家が開業している場合は、実家を継ぐまでの期間限定と割り切ることもできます。
むしろ、ここで経験しておかなければと思うので、集中できる。

でも、継ぐ病院のない医師達は、いつまでこんな生活ができるだろうか・・・と常に考えています。
そして、ハードな生活に疲れたり嫌気のさした人達が、開業したりフリーの医師となって、大学を去っていくのだそうです。

一番大切なことを、忘れていないか

実は、この脇坂さんと一緒に働いたことがあるという先生から、話を聞いたことがあります。
彼女は何科だったと思いますか?
私、美容形成とかだと思っていたんですけど・・・実は麻酔科。

麻酔科医師はとても医師数が少なく、どこの病院も取り合いです。
オペをしたくても麻酔科が不在でできないことだってあるくらい。
そのため、ルンバールなら麻酔科不在で外科医だけで、ということもよくあります。

そしてこの脇坂さんは、とても優秀な麻酔科医だったそうです。
麻酔科医って、一般的に目に触れることがありませんが、外科医にとって手術に専念できるかどうかは、麻酔科医の腕にかかっているのです。

手術部位だけを見ていられる、集中していられるということは、呼吸や循環は全て麻酔科医がコントロールしてくれるから。
それに麻酔が不十分で、大事なところでビクッと動かれたり・・・なんて、困ります。

また、手術をしている段階によっては、少しここはボリューム(輸液量)を多くしておいて欲しいな・・・というところがあるそうです。
そんなときも、術者が言う前に既に対応してあったりという、優れた麻酔科医だったそうです。

まあ、勤務医時代から恰好は派手だったそうですが。
でも、腕は確かだったと、彼女の仕事振りを知っている先生は言っていました。

なぜここで、こんな話をしてきたかといいますと。
私達の仕事で、一番大切なことはなんでしょうか?

大学病院に勤務する医師よりも、看護師で夜勤をやっている方が、給料が高いのは事実。
でもそこで、もっと稼ぎたい・・・とタレントになったり、診療報酬詐欺をやったりしてしまった脇坂さん。
私達が一番大切にしなければならないことを忘れてしまったのですね。

私達看護師がフリーで働くとか、開業するということはまあありませんね。
(派遣とか、デイサービスを開業することはありますが。)
だから、私達には関係ないやと思っているかもしれません。

でもね、ちょっとこの事件から初心に戻って考えてみましょうか。
給料が少ないとか、役職とか、人間関係とか、残業とか・・・不満をあげたらいくらでも言うことはできます。
でも、私達の仕事は人の命を助けること。
その初心を忘れてはいけないなあと、思ったのです。

自分のことが自分でできて、上から怒られることがなくなるような年齢になってくると、仕事に対する緊張感がなくなってきます。
余裕ができるので、私生活を充実させたいと思うようにもなります。
だけど、そんな風に余裕ができたときこそ、医師・看護師の本分を思い出すべきなのでは?

事件を起こしてしまった医師は、もう表立って働くことも古巣の大学に戻ることも難しいでしょう。
でも、仕事にだけ精を出していたら、麻酔科医としてフリーになるという道だってあったのになと、麻酔科医の不足している病院で勤務する身としては、なんとももったいなく思いますね。

私達ママナースは、どうしても家事・育児との両立に躍起になってしまいがち。
私だってそうです。
それに、やりたことの多い私はどうやって時間を作ろうかと、しょっちゅう考えています。
最近は病院から資格をとるようにと、プレッシャーもかけられるようになってきたし・・・。

でも、一番大切なことを忘れてはいけません。
新年や新年度といった区切りでもいいのですが、時にはこうやって看護師たるものどういう働き方をするべきか、考える時間をとってみることをお勧めします。
実は私自身、このニュースを観て自身を振り返った一人です。