死戦期呼吸って、どんな呼吸?



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死戦期呼吸は、心停止の徴候!!

死戦期呼吸って、なんですか?

死戦期呼吸って言葉、聞いたことありますか?
私は数年前まで知りませんでした・・・。
ACLSの講習を受けたとき、初めて耳にしました。
でも、目にしたことはありました。

その患者さん、AMIで当院から大きな病院へ搬送し、緊急心カテをしてもらうところだったのです。
ところが、搬送の準備をしている最中にこの死戦期呼吸を起こして急変、搬送前に亡くなってしまいました。

ACLS-EPのテキストでは、死戦期呼吸をこのように説明しています。

死戦期呼吸

死戦期呼吸は適切な呼吸ではない。
死戦期呼吸は、反応のない患者における心停止の徴候である。

死戦期呼吸を呈する患者は、通常、非常に速く息を吸い込んでいるように見える。
患者は口を開けたり、顎や頭、首を動かしたりするかもしれない。

死戦期呼吸は力強く見えることも、弱々しく見えることもあり、通常は遅い呼吸のため、呼吸と呼吸の間隔があく場合がある。

死戦期呼吸は荒い鼻息、いきびまたはうめきのように聞こえることがある。
死戦期呼吸は規則的ではなく、正常な呼吸ではない。

実際に見たことがある、という人もいるでしょう。
でも、全くないよ、という人は・・・大丈夫。
「死戦期呼吸」とネットで検索してみてください。

YouTubeで、動画も配信されています。
こちらで、紹介されていました。
他にも、たくさん動画があります。
(ホンモノではありませんがイメージはつかめるでしょう。)

死戦期呼吸になぜこだわるのか

死戦期呼吸は、一見、呼吸をしているといえばしています。
ですから、発見した時に「呼吸あり!!」となってしまいかねません。
しかし、これはもうハリーコール・コードブルー・CPRコールの対象なのです。

BLSの基本手順を思い出してみてください。
(詳しくは絶対できる!!BLSの基本手順をマスターしようを参照してください。)

BLSの手順

2で呼吸の確認が出て来ますね。
ここでは、「普通の呼吸をしているか」を確認しましょうとお伝えしました。

もし、死戦期呼吸なのに「呼吸あり」と判断したら?
頸動脈に触れて、微弱ながらも触知できた場合は、どうなるでしょうか?
対応が変わってくるでしょう。

頸動脈が触知できて胸骨圧迫は不要だけれど、呼吸が弱いという場合はあります。
そんなときは、呼吸だけをアンビューで介助します。
具体的には、5~6秒に1回の割合でアンビューを押します。

ところが、ここで「呼吸あり、脈拍あり」だと、積極的にアンビューで押さなくなってしまいます。

そもそも、この死戦期呼吸をしている上で急変ととらえなくなってしまう可能性もあります。
だから怖い。
とくに介護士や看護助手といった、コメディカルスタッフは、死戦期呼吸なんて存在も言葉も知りません。

通りかかったときにこのように呼吸をしていて、
「なんかあえぐような呼吸だなあ。看護師に報告しておこう。」
そう思ってくれればいいのですが、素通りしてしまうこともあります。
そうなったときに怖いのです。

私自身が目にした死戦期呼吸は、ほんとうに突然、急に大きく息を吸いました。
まさにあえぐように。
私は、その患者さんがAMIで別のスタッフが搬送準備をしていることを知っていました。
自分の持ち場が落ち着いたので、どうなったのか様子を観に行ったところだったのです。

そして、「今は落ち着いてる。もうすぐ救急車が来るよ。」と聞いて、
(ふ~ん、じゃあ私が手を出すところはもうないか)と思って、患者さんに背を向けた途端に死戦期呼吸が始まったのです。
そのたった1回の呼吸に、すぐ横にいた師長も飛んで来ました。
ですから、これが普通の呼吸ではないことが解りました。

私はその後、ACLSとACLS-EPコースを受講してこの死戦期呼吸という言葉を覚えました。
でも、この患者さんがその後すぐに心停止を起こして亡くなったという経験がありますから、「死戦期呼吸は心停止の徴候である」というテキストの文面に納得したのです。

いつ遭遇するかわからない、死戦期呼吸。
どんな呼吸かというくらいは、勉強しておきましょうね。