負荷心電図で、胸痛発作!



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負荷心電図は、危険と隣り合わせ

負荷心電図を行うのは、どんな人?

負荷心電図とは、わざと心臓に負荷をかけておこなう検査です。
負荷の種類は、ただ階段昇降するマスターダブル、ランニングマシンのようなもので走るトレッドミルがあります。

しかし、高齢者や膝が悪いという患者さんには、状況によってはただ廊下を歩行するだけでも負荷とすることもあります。
要は、運動によって安静時よりも心拍数が上がればいいのです。

負荷心電図はそんなに珍しい検査でもないし、とても高価な機械を必要としないので、循環器外来では比較的よく行われます。
では、どのような人に行うのでしょうか?
・検診で心電図異常を指摘され受診した人
・労作時の胸痛を主訴に受診、その他自覚症状(動悸など)を主訴に受診した人

大きく分けると、この2パターン。
つまり、自覚症状なく検診でひっかかってしまった人と、労作時に胸痛があるものの今(安静時)はない、という人ですね。

検診で引っかかった若い人の多くは、期外収縮です。
しかし、学校で運動(体育や部活)をしてもよい、仕事に支障はないという証明のために負荷心電図を行うことが多いのです。
場合により、ホルター心電図を行うこともありますね。

では、自覚症状がある人の場合は、どういう目的で行うのでしょうか?
だって、動いたら胸痛が起こるのですよね?
なんでわざわざ危険なことをするの?
そうなのです。

労作時に胸痛が起きたと言って病院に飛び込んでも、多くは病院に向かって受付をして循環器に案内されて・・・という間に、症状は消失してしまいます。
症状のある時に心電図をとらなければ、ST-T波の異常をとらえることができません。

そのために、心電図を装着して準備万端の状態で、あえてST変化を起こすのを待ち構えるのです。
しかし、これは危険と隣り合わせの検査です。
検診でひっかかった学生さんにちょっと負荷心電図行って来てというのと、自覚症状ありで来院した50代の人に行って来てというのとでは、危険度が全く違うのです。

実際、私が以前勤務していた病院では、トレッドミルを行う時には若手の医師が当番になって付き添っていました。
そして、年に何回かは本当にそこで胸痛発作や頻脈発作を起こし、外来に連絡が入りました。
医師がそばにいるので、私達看護師はルートをとったり記録するくらいでしたけれどね。

ところが、今の勤務先では負荷心電図の実施には医師の立ち会いがありません。
それどころか、循環器の医師が非常勤です。
午前中しか診察がない日に、外来最後の患者さんをマスターダブルに案内して胸痛発作が起きて呼ばれた・・・なんてこともあります。

負荷心電図というのは、やろうと思えば検査技師だけでもできます。
その日に受けて、その日に結果を伝えることができるので、何度も受診できないと言う人にはいい検査かもしれません。

しかし、それにはあえて心臓に負荷をかけているのですから、危険と隣り合わせであることをよく理解した上で、検査に送り出さなければいけません。
もし検査を初めてすぐにST変化が起これば、かなりの確率で心血管系の疾患(狭心症や心筋梗塞)です。

検査をしなければ、患者さんの状態はわかりません。
一方で、検査そのものが危険ということもある。
それをわかっているかどうかで、生理検査室から連絡を受けたときの初動に大きな違いが出ます。

医師から指示が出たから検査・・・ではなく、その患者さんにとってどのような影響があるのか。
そこまで考えられるといいですね。