迷走神経刺激法で、頻脈が治る?



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PSVTには、迷走神経刺激法!

薬を使わずにできるPSVTの治療法 ~迷走神経刺激法~

PSVTとは、発作性上室性頻拍のことです。
突然起こり、突然停止するのが特徴。

さて、このPSVTが起こった場合の治療法ですが。
いきなりワソランやアデホスといった薬を投与するかというと・・・実は、薬を使わずに治す方法があります。

それが迷走神経刺激法。
「迷走神経が刺激されると房室伝導が抑制される」という性質を利用した、頻拍停止法です。
迷走神経というと、採血をした時に倒れたり気分が悪くなる人いますよね。
あの迷走神経反射を逆手にとって、利用しようってことです。

迷走神経反射は、痛みや強いストレスが加わると迷走神経が刺激されて自律神経のバランスが崩れ、顔面蒼白・徐脈・冷汗・失神などが起こること。
この刺激が頻脈のときに起これば、徐脈が誘発されるわけですから頻脈が改善される・・・という理論。
ではこの迷走神経刺激法、実際はどういう手技でしょうか?

迷走神経刺激法

・バルサルバ(Valsalva)法 - 吸気時に息をこらえて胸腔内圧を上昇させる
・頸動脈洞圧迫       - 頸動脈を圧迫する
・顔面冷水         - 冷水に顏をつける
・アシュナー(Ashner)法 - 眼球を圧迫する

一応これらが迷走神経刺激法の具体的主義となります。
一番簡単なものはバルサルバ法ですし、これが一番安全です。

やってはいけない刺激法もある

上に挙げた迷走神経刺激法の4つの手技。
この中で、一番安全で効果があり、私達看護師でも行うことのできる方法はバルサルバ法です。

次が顔面冷水ですかね。
でも、実際の現場で洗面器とタオルを用意して、ベッド周辺や患者さんの髪を濡らさないように・・・なんてやっていられないので、ちょっと非現実的。
効果を考えれば、バルサルバ法で十分です。

では、残り2つはどうなのでしょうか?
これは、今では「やってはいけない」手技となっています。

頸動脈洞圧迫には、脳梗塞を発症するおそれがあります。
抑えることそのものが脳梗塞を引き起こすのではありませんよ。
もし頸動脈にプラークのある人だった場合、頸動脈洞圧迫という手技によって、プラークが剥がれて脳血管の塞栓を起こしてしまう可能性がある、ということなのです。

また、アシュナー(Ashner)法は、圧迫することそのものが角膜および網膜を損傷するおそれがあるため、やってはいけない手技になりました。

PSVTは、血行動態的に落ち着いていれば、命にかかわる頻脈ではありません。
そこまで行く前に、突然止まるはず。“発作性”なのですから。
ただ、頻脈のために血行動態が悪く意識レベルが低下したとか、血圧が維持できないという場合は、迷走神経刺激法ではなくて、カルディオバージョン(電圧を弱めた電気ショック)を行ったり、アデホスを使ったりします。

でも、まず動悸を訴えた患者さんが来院したら、この順に動いてみましょう。
「頻脈!HR=150!!」と、むやみに焦らなくていいですからね。

PSVTの患者に対する動き方
 
ただし、その場に医師がいる場合や血行動態が悪ければ、➂ですぐにDrCallです。

また、実際に息をこらえる時間は15秒~30秒程度でOK。
数回試してみましょう。
それで反応がなければ、投薬を検討します。
もし効果がなくても、バルサルバ法に反応がないことの証明になりますから、➃でも心電図をとっておくとよいでしょう。

実際はほんの少ししかレートが下がらなくて、薬を使うことがよくあります。
もしあなが、まだ心電図を読むことそのものに自信がない場合や、患者さんの状態が良くないと判断した場合は、医師への報告は早めにしましょうね。

頻脈=ワソラン!?
ではなくて、できることもある・・・ということを知っておいてもらえたらいいなあと思って、今回は迷走神経刺激法を紹介しました。



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