メンバーは実際、怒鳴る医者に対してどう対処する?



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緊急時こそ、騒ぐな・慌てるな!チームダイナミクスが蘇生のカギ PART2

慌てず、叫ばず、自分のとるべき行動は?

PART1でお伝えした、チームダイナミクス。
これを最大現に発揮するためには、何をしたらよいのでしょうか?
もう一度、下の図を見てください。

チームダイナミクスの図

リーダーとメンバーのやるべきことを見てみましょう。
箇条書きであげてみましたが、実はやるべきことは下の要素からそれぞれ行動指針としてあげてあるんですね。

チームダイナミクスに大切な要素

・コミュニケーション
・明確な指示
・明確な役割と責任分担
・自己限界の認識
・情報の共有
・建設的な介入
・再評価とまとめ
・互いの尊重

例えば、明確な指示という要素に対し、医師は
作業完了の報告を口頭で受けてから、次の作業を割り当てる。
(一度にたくさんの指示をしない)

となります。
誰にどんな指示を出すかも、リーダーのマネジメント能力にかかっています。

それに対し看護師は、
割り当てられた作業の開始時または終了時に、チームリーダーに報告する。
つまり、ルート確保と言われたら「ラクテック500mlでルート確保します。」と言い、終わったら「ルート確保しました。」と報告する。
それまで、違う仕事はリーダーから指示されなくて済みます。

再評価をするにあたっては、医師は他にやれることはないか、間違っていないかをメンバーに“教えて”と言います。
そしてメンバーは「○○どうでしょうか?」と提案します。

このように、それぞれの要素に対し、リーダーである医師とメンバーである看護師が、それぞれ行うべき行動指針がマニュアルには示されています。

その中で私が、蘇生の現場で特に大切なこと・意識すべきことだと感じていることは、
明確な役割と責任分担
互いの尊重
です。

ACLSの講義を受けてびっくりしたのは、医師がメンバーを尊重することと、自分の指示や方向性がズレていないか、メンバーに尋ねるということ。

私は急変時に(特に医師が)とる行動に、とても疑問を感じていました。
例えば、
・怒鳴りちらす
・あれもこれも同時に指示を出しておいて、遅いとまた怒鳴る
・みんながただパニックを起こす

あるんですよね、私の職場では。
下に例を挙げてみましょう。

現場でよくあるこんな医師・・・リーダーとは言えません

例えば今、重症患者さんが運ばれてきたとします。
そして、看護師は2人しかいません。
それなのに、こんな具合で指示をとばす医師がいます。

「挿管準備!手袋!
ルート!!
酸素!!!
吸痰!!!
呼吸器用意!!!!!
病棟へ連絡!!!!!!
なにやってんだーっ!!!!!!!!!!!」

無理ですよね (-“-)
第一に、挿管は第一優先ではありません。
アンビューを押せばいいのです。自分(医師)が。

そして、NsAがルートを確保し、NsBが記録・応援要請・病棟確保すればいい。
必要なら、NsBが胸骨圧迫に入り、NsAが自分でルートをとって薬剤を投与した時間を記録すればいいのです。

この医師は、ただ無暗に看護師を怒鳴って委縮させ、より効率を下げてしまっているのです。
現に、私の部署では急変時になると逃げてしまう看護師がいます。

外来は同時に複数科開いているので、「私は残りの仕事をやってるから・・・」と理由をつけて、応援に来ないのです。
結果的に、いつも急変や重症者の対応を行うのが同じ人物になってしまいます。

では、私達はどうすべきでしょうか?
指示を出すリーダーが、やってはいけないとされる「怒鳴る」「指示を過剰に出す」「処置の見直しをしない」ことをしていたときは?

緊急時に看護師が心がける5つのポイント

➀自分に(落ち着け、落ち着け)と言い聞かせて、1つずつ確実に処置をする
➁医師にはっきりと、口頭で薬剤や次の指示を確認する
➂〇〇でいいですか?□□どうしますか?と質問する
➃自分達の行ったことを、記録に残す
➄後で自分を責めない

過度に慌てさせたり急がせたりする医師がいても、余計に手元が狂うだけ。
確実に、ルート確保をして必要な処置を行いましょう。

自分にできないものに固執しても仕方ありませんから、ショック状態でルートをとるのが難しいときは、尻込みしているベテランナースに、ルートだけでもとってもらいましょう。
私の職場には、急変時というとそれだけさっとやって去っていくおばさまがいます。
でも、その人のできる力(点滴がうまい)を出しているので、これもアリです。

そして、自分が薬剤を投与するときには大きい声でしつこく言う。
医師が怒鳴り散らしていて、コミュニケーションが不足していることがあります。
そこから間違った薬剤を投与してしまう危険性がありますからね。

医師のプライドを傷つけないように、「□□しないんですか?」ではなくて、「□□、どうしますか?」と提案しましょう。
カーッとなっている医師も、その提案をしてくれたあなたに感謝する・・・かも(?)

ただのA4の印刷用紙でもいいから、とにかく時刻とバイタル・投薬を控えます。
モニターをつけていれば、プリントアウトを適宜していけばそれが記録に残ります。

その時点であなたが心電図の波形を読めなくて、どう記録に書いてよいかわからなかったとしても、時刻・バイタル・投薬は書けるはずです。
後に訴訟問題等になったときにも、自分達を守ることになります。

最後に、どんなに頑張っても力を100%出し切ることができないときもあります。
ルート確保に手間どったり、焦ってしまって無駄な動きをしてしまうことだってあります。
それでも、自分を責めないことです。

反省と責めることは、別です。
あのときこう動くべきだったとか、もっと改善できる点はなかったかと振り返り、反省することは今後のために大切なことです。
しかし、自分が誠意をもって行動をしていてもできなかったことに対して、自分を責めてはいけません。

人には得手・不得手があります。
あなたが急変時の対応が不得手だったとしも、今回のことを振り返って次への課題を見出すことができたら、それでいいのです。

完璧にできなかったら怖いと思うから、救急看護が怖いんです。
私だって、完璧とは程遠いところにいます。
医師に怒鳴られます。
でも、自分で5つのポイントを言い聞かせて、できるだけ客観的に・平常心でいられるように努めています。

どうでしょう?
急変に当たりたくなってきた?
腕試ししたくなって来ました?
そんなわけないって?(´ω`*)