これって、脳卒中?



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もしかして、脳卒中!? 誰でも1分で仮診断する方法

脳卒中患者は、「3時間」が大事

AHA(アメリカ心臓協会)が提唱しているACLS(2次救命処置)において、急性期脳卒中患者の特定と初期管理の項目があります。

脳卒中って、日本では最近使われなくなってきた言葉ですね。
代わりに、脳血管疾患と言われています。

脳卒中も脳血管疾患も、つまり出血か梗塞が頭蓋内で起こっているということです。
ただ、来院時にその人が脳血管疾患かどうかは、まだわかりません。
歩いてくることもあれば、救急搬送のこともあります。

しかし、脳卒中には3時間のゴールデンタイム・制限時間があります。
救急車で来院しなかったけれど、実は脳卒中を起こしている・・・という人を、いち早くトリアージして必要な検査と治療にまわすことが必要になります。

この3時間というのは、脳卒中の中の脳梗塞に対する制限時間。
アメリカにおいて脳梗塞は脳卒中のうち87%にのぼると言われており(ACLSプロバイダーマニュアル2010より)、発症から3時間以内であれば、血栓溶解療法が適応になるのです。

血栓溶解療法を行うことで、ベナンプラという「虚血だが、まだ壊死した脳組織ではない部分」の血流を再開し、梗塞範囲を狭くすることが可能です。
ただし、それには目の前の患者が脳卒中ではないか?と仮診断をしないことには、頭部CTにもいけませんし、制限時間の存在も考えません。
ですから、脳卒中の患者にとって大事なことは、「脳卒中であると認識されること」なんですね。

そこで今日は、看護師でも1分でできる方法をご紹介しましょう。

シンシナティプレホスピタル脳卒中スケールで、早期診断

脳卒中であると認識するためには、何をしたらよいのでしょうか?
そこでAHAが推奨している方法をご紹介しましょう。

シンシナティプレホスピタル脳卒中スケール(CPSS)というもので、名前の通り、本来は病院到着前に救急隊が使えるように・・・という意味のようですが、病院においても医師に報告するために私達看護師が使うのにも、とても有効です。

3つの身体所見に基づいて、脳卒中を特定します。
必要な時間は1分未満。
それでいて、下記の項目で所見が1つでもあれば脳卒中である確率は72%、3つすべてに所見があれば85%を超えるというのですから、信憑性があります。

シンシナティプレホスピタル脳卒中スケール 

顔面下垂 :歯を見せたり、笑ったりするよう患者に指示する
上肢の脱力:患者は眼を閉じ、手のひらを上にして両手をまっすぐ前に出し、
      10秒間その状態を保持する
言語障害 :患者に次のように言わせる
      「瑠璃(るり)も玻璃(はり)も照らせば光る」など
                 ACLSプロバイダーマニュアル2010より

図で示したものを見るとわかりやすいと思います。
下記のページを参考にしてみてください。
シンシナティプレホスピタル脳卒中スケール
患者さんにはなんの侵襲もなく、かつ医師の診察が不要で、時間がかからない。
便利ですね。

脳卒中であることを認識するためにはまず、出血の否定をする必要があります。
しかし、私達の独断でCTに行くわけにはいかないので、「頭部CTへ!」という指示をもらうために、このシンシナティプレホスピタル脳卒中スケールが有効なわけです。

握力って、利き手は強くなりますから、意外にわかりません。
GCSは、脳卒中だとわかった時点でレベルをチェックするのに使います。
JCSは、その人の意識レベルを表すのに使います。
ですから、まず「この患者さん、脳卒中?」と思ったら、まずこれをやってみましょう。

時間は1分、それでいて何の侵襲もかからず、医師の指示も不要なのですから。
次回は、なぜこんなに急いで脳卒中と断定する必要があるのか?
3時間という時間制限について、お伝えすることにしましょう。