夢の新薬、インターフェロンフリー療法



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覚せい剤と入れ墨でC型肝炎・・・税金で治療するんですか!?

C型肝炎の治る時代がやって来た

C型肝炎は、C型肝炎ウイルスに感染して発症します。
肝機能としては正常で、何の自覚症状がない人でも、ウイルスが体に入り込んで感染している人もいます。

C型肝炎は、放っておくと肝細胞癌を発症させたり、肝硬変を起こします。
どちらも命に関わる病気です。
肝臓は、「肝心要」という言葉もある通り、とても重要な臓器です。
実は胃癌や肺癌よりも、肝不全を起こす方があっという間に亡くなってしまいます。

では、C型肝炎の感染経路は何でしょうか?
ほぼ、下のどれかに入ります。

C型肝炎ウイルスの感染経路

・(C型肝炎ウイルスが発見される前の)輸血や血液製剤
・(使い捨てになる前の)注射針の使い回し
・ピアス
・入れ墨
・覚せい剤などの回し打ち
・不衛生な状態での鍼治療
・性交渉による感染
・母から子への感染(母子感染)

確かに、昔は医療機器がディスポではありませんでしたから、本当に滅菌消毒されていたのかわかりませんよね。
中には、感染経路と言えば歯医者さんでの治療くらいしか思い浮かばない、という人もいます。
しかし、C型肝炎の感染経路は、性交渉や母子感染がメインではないと言われています。

では、現代における主たる感染経路は何でしょうか?
それは、入れ墨と覚せい剤です。
タトゥーと言えば聞こえはいいですが、結局のところ入れ墨です。

入れ墨を入れるのに、わざわざ滅菌消毒した医療材料を使うはずありません。
感染して、当たり前と言わざるをえません。
そして、入れ墨で命を落とすなんて、ばかげています。

自分の周りには覚せい剤をやっていた人なんて、いるわけない・・・と思っていた私ですが。
C型肝炎治療に受診に来ている人で、昔覚せい剤をやっていた人が何人もいることに驚きました。

C型肝炎治療は高額・・・でも、公費助成で負担は月1万

C型肝炎の治療は、近年目覚ましい発展を遂げました。
ひと昔前までは、副作用に耐えながらもインターフェロンの注射に通い、それでも効果のない人が大勢いました。
ところが現在、内服でC型肝炎が治療できる時代になったのです。

ダクルインザ・スンベプラに始まり、最近ではソバルディ・ハーボニ―の登場により、インターフェロンを使わない「インターフェロンフリー療法」が主となりました。
内服だけなのに、90%以上の奏効率を出しています。

当院でも、インターフェロンで奏効しなかった患者さんも、たった3か月内服するだけでSVR達成(ウイルスが体内から排除されて、血液検査の結果が陰性になること)しています。
全患者数が何人かというデータはありませんが、今のところ全例SVR達成という、すごい治療効果です。

すごい効果ですが、この治療薬、ものすごい金額がかかります。
海外の薬であるため、1か月分がどんとボトルに入って処方されるのです。
その驚きの価格は、 1錠8万円 → 1瓶240万円!!
ちなみに、アメリカでは1錠10万円以上と言われており、1瓶400万円の価値になるそう。

いくらすごい薬だって、いきなり240万円なんて払えませんよね?
それも、これを3か月ですよ。
一般人には無理です。

ところが、日本はとてもいい国ですから、救済制度があります。
この高額のインターフェロンフリー療法も、助成の対象になっています。
これが認可されると、1か月の治療費はなんと1万円で済みます。
(高所得者は2万円)

くわしくは厚労省ホームページより、
肝炎治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、核酸アナログ製剤治療)に対する医療費の助成を参照してください。

嬉しいですね~。
って、素直に喜べないのが私達医療従事者の悲しいところでしょうか。
だって、冒頭でもお伝えしたとおり、現代のC型肝炎の感染経路は入れ墨と覚せい剤ですよ。
そんなものをやってC型肝炎に罹りました、治療費は国で出してくださいね・・・って、どう思いますか?

確かに、母子感染や血液製剤による感染、昔の不衛生な医療機器で感染した人達には、朗報です。
だって、限りなく100%に近い奏効率ですから。

でもね、国が助成してくれるということは、すなわち国民の税金なんですよ。
入れ墨と覚せい剤を過去にしていても、改心した人も確かにいます。
でもね、それ以前に、生活に困窮している人もいるじゃあないですか。
子供の貧困だって、今問題になっているでしょう?

確かに、ソバルディやハーボに―の登場で救われる命がたくさんあります。
とても喜ばしいことです。
しかし、やっぱり素直に喜べない・・・。

こう思ってしまうのは、母子家庭でも何の援助も受けられない私のひがみでしょうか。
(看護師が正規で働くと、たいてい母子家庭でも補助が受けられません・・・収入が一般家庭並とみなされるので)

入れ墨や覚せい剤をやったあげく、病院に通院して保険治療を受ける。
公費助成を受けて、何百万もする治療を受ける。
確かに、日本はこんなことが認められているのですから、国民にやさしい国です。
でもね、お金をかけるべきところは、ここじゃないんじゃないかなぁ・・・そんな風に思うのです。

少なくとも、C型肝炎の治療に限った使い道とするならば、もっと入れ墨や覚醒剤に対する規制や処罰を厳しくするとか、若い人に対する啓蒙活動に力をいれるとか、まずはC型肝炎のキャリアを作らないことに力を入れてほしいなあと思うのです。



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