石の痛みは、最強クラス



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たかが石、されど石。

人間の痛みの3強は?

人間の感じる身体的な痛みの3強は、下の3つと言われています。
・SAH(クモ膜下出血)
・群発頭痛
・尿管結石

くも膜下出血は、「今まで経験したことのない程の頭痛」と表現されることがあります。
群発頭痛もそうですね。
ただし、群発頭痛は命の危険はないのですが、その時期になると毎日続くので、本当に生き地獄になってしまいます。

さて、ここで気づいたでしょうか?
3つの内2つは頭痛です。
頭だと思うと、とても心配してしまいますよね。
SAHでなくても、脳梗塞だって、脳出血だってありえます。
動けなくなるのではないか、このまま死んでしまうのではないか・・・そんな不安がよぎります。

頭痛は検査をして調べるまで脳血管疾患である可能性があります。
急変し、命を落としたり、後遺症を残す可能性があります。
そのため、外来に飛び込んで来たらまず頭のCTをとったり、MRIをとります。
画像や身体所見(麻痺など)がないことを確認するまでは、重症扱いされます。

ところが、最後の1つは尿管結石です。
尿管結石は、石が尿管の生理的狭窄部位にはまってしまうと、猛烈な痛みを伴います。
だから、痛みの3強なのです。

しかし、強烈な腰背部痛に加え、本人から「石もちなんです」「血尿が出た」と聞くと、悲しいかな、「なんだ、石か」となってしまうんですねぇ。
腰背部痛だけしか情報がないと、大動脈解離や腹部大動脈瘤の破裂の可能性も視野に入れないといけません。
しかし、「石」と言われると、とたんに重症度が下げられてしまいます。

尿管結石による痛みは、冷や汗や嘔吐を伴うくらいに強烈な痛みです。
中には、丸くなって待合でうずくまったまま動けなくなってしまう人もいるくらい。
冷や汗って、自分で出そうと思ってもだせませんよね?
だから、いくら命を落とすことはなくても、重症は重症なんです。
少なくとも、本人にとっては。

外来に1人でも尿管結石の患者さんが来ると、もう大騒ぎになります。
嘔吐もするし、痛みでうめくし、隣のベッドで内科の患者さんの点滴・・・なんて、とてもできません。

見ているこちらも辛いですよ。
だから、楽にしてあげたい。
でも、医師の診察・指示がなければ、私達看護師が薬を使うことはできないのです。

では、すぐに診察を!!と思っても、先生からすると急ぐ必要がないんです。
「石でしょ?」と言われてしまう。
そんな具合ですから、どんどんボルタレンでもペンタジンでも使ってくれればいいのですが、診察を後回しにされては何もできません。

実際、外来にはたくさんの患者さんがいます。
中には本当に重症で、命に関わる疾患の人もいます。
しかし、尿感結石は今すぐに命どうこう、というものはありません。
ただ痛みだけが、最強クラス。

尿管結石の痛みは、狭窄部位を無事に通過すれば、一度治まります。
最終的には尿として排石されるまで、いつまた痛みが起こるかわからないので、患者さんとしては爆弾を抱えているようなもの。

一度痛み出すと、その波が治まるまで患者さんは七転八倒するような痛みで苦しみます。
その様子を見ると、「この人痛がりだな」「騒ぎ過ぎじゃない?」
一見そんな風に思ってしまうかもしれません。

しかし、嘔吐や冷や汗を伴うくらいの痛みです。
本人にとっては、人生最悪の痛みです。

なぜ、尿管結石は、たかが“石”でこんな痛みを生じるのでしょうか?
命を落とすものでないなら、もっと軽い症状にして欲しいですよねぇ。

そんな風に思ってしまう、泌尿器ナースのぼやきでした・・・。



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